人物顔の等濃線分布を用いたステレオ画像による3次元計測
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概要
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近年,コンピュータビジョンやコンピュータグラフィクス等の各研究分野では,人物顔等の3次元形状を簡易な装置により入力する方法が強く望まれている.3次元計測法には様々な手法があるが,その中の一つに,特殊な装置(レーザ等の投光器)を用いず,かつ,受動的に計測が行えるステレオ立体視法(以下,ステレオ法と呼ぶ)がある.しかし,ステレオ性は画像間で対応する点を決定する処理が難しく,特に,明確な特徴のない曲面の計測は困難である.これに対し筆者等は,"等濃線"を用いて対応点を決定することにより,曲面を含めた形状計測が行えるステレオ法を提案した.等濃線は,量子化画像の濃度境界線であり,曲面上でも比較的安定した抽出が行える.この等濃線により画像内で構成される閉曲線(以後,ループと呼ぶ)を用いて,1)左右画像のループのマッチングを行い,画像間の大局的な対応関係を抽出し,2)画素の局所的な特徴(濃度勾配・周辺の濃度分布等)に基づき,画素単位で対応点を決定する.しかし,対象の計測精度および信頼性は,対象表面に生じる鏡面反射等により,安定した値が得られていないのが現状である.特に,1)のループのマッチング処理において,鏡面反射の影響から左右画像の等濃線形状が異なる箇所では,ループの形状を表す周辺分布(X軸・Y軸へループ内部面積を投影した分布)のみを用いた従来のマッチング手法では,対応ループが求まらない場合がある.そこで,本報告ではループの対応率を向上するため,ループ重心の相対的な位置関係と周辺分布の情報を用いて対応ループを自動的に決定する手法を提案する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28
著者
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