等濃線分布に基づく顔画像の記述と識別

概要

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従来、顔画像の識別に関して様々な手法が提案されている.それらの手法は大きく,1)顔画像から得られた特徴点に基づく方式,2)顔を3次元計測し,得られた3次元データに基づく方式,3)顔画像の濃度分布に基づく方式,の3つに分類できる.1)は研究の歴史が古く,多様なアルゴリズムが検討されている.しかし,計算の複雑さなどの問題から実用化に至っているものはない.2)は3次元計測装置の発展に合いまって,近年盛んに行われつつあるが,現状では,実時間計測が困難といった難点がある.これに対し,3)は1),2)のような問題点が少なく,限定された環境のもとであれば有効な方式と考えられる.筆者らは,3)に属する手法として顔画像の等濃線分布に基づく識別方式を提案し,その有効性を確認している.しかし,本方式の実用化に際しては,様々な環境条件(顔の経年変化,物理的な変化,照明の変化)に対し,アルゴリズムの耐性を明らかにし,改善を加える必要がある.本報告では,等濃線分布に直接影響を及ぼす照明の変化と本方式の識別精度について検討する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28