シナリオ形式で与えられた仕様の詳細化支援
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概要
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ソフトウェアの動的な振舞いを記述する方法としてイベント系列(シナリオ)による仕様記述がある。この形式は直観的な理解のしやすさ、記述の容易さから設計上流工程におけるソフトウェアの動的仕様(特に交換機などのリアルタイム・ソフトウェアの仕様)の記述方法としてよく利用される。一方、形式性の欠如からこの形式の仕様の矛盾点の指摘は困難であり、かつ、不完全な点を指摘する方法がないため、設計者が所望のソフトウェアの振舞いを矛盾なく、網羅的に記述する作業を機械的に支援することが難しい。本論文では、これらの問題の解決を目的として、ソフトウェアが動作するシステムの静的な仕様に関する情報とイベントの副作用に関する情報を領域モデルとして用いシナリオ形式の仕様に対してcritiquingを行なう枠組を提案する。Critiquingとは領域の知識をもとにして、与えられた仕様が矛盾点や未定義部分などの問題点を持たないかどうかをチェックし、必要な修正を設計者に指摘し命設計者から修正・追加仕様蓮引き出す、仕様詳細化支援方法のことである。本論文では、ソフトウェアの振舞いの仕様化を対象とする。critiquingとは、無矛盾で、イベントの競合が存在せず対可能な状態を網羅的に仕様記述する作業を支授することであると定義する。以下、本方式において用いる領域知識、ここで提案するcritiquingの概要について触れ、形式化の一方法について述ベる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24
著者
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