制約伝播機構を内蔵するオブジェクト指向言語:COOL
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概要
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オブジェクト指向プログラミングと異なる観点を持つプログラミングパラダイムとして,制約指向や関係指向概念が知られている.前者によると,対象の構造的な側面の記述を自然に行えるのに対して,後者は対象間の関係記述を行うのに適している.本論文で提案するCOOLは,オブジェクト指向および制約関係指向がそれぞれ持つ長所を生かすために,両者をひとつの言語システム内に融合させる試みである.構造を持つオブジェクトというモデルに加えて,オブジェクト間の制約関係をクローズで記述するためにオブジェクトを命題とみなすという考え方を導入した.オブジェクトとは独立な概念により制約関係を記述するため,ひとつの複合オブジェクト内に閉じた制約関係と複数のオブジェクトに跨る制約関係とを,ひとつの枠組みで取り扱うことができる.また,局所的な制約関係を大域的に伝播するために,関係記述の評価機構として,TMSに基づく制約伝播機構を持つ点が特徴である.最後に,COOLの記述例として,論理シミュレータを取り上げ,ゲートやフリップフロップをオブジェクト指向概念によって,接続関係を制約関係概念によってモデル化する手法を紹介し,COOLによるモデル化技法の有効性について述べる.なお,Frantz Lisp上で実現したシステムが作動している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-01-15
著者
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