Smalltalk-80における共同開発支援のための共有ブラウザの開発

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近年の計算機技術の発達、また計算機を結ぶネットワーク技術の発達により、ネットワーク上の複数のマシンによる共同作業への要求が高まっている。これに伴い、グループによる大規模ソフトウェアの共同開発などにおいて、開発したソフトウェアモジュールを他の開発者とファイルサーバ等を用いて共有することが多く行われている。しかし、これだけでは作業効率が十分に向上されにくく、共有資源の管理を含めた支援システムが必要である。このため、ソフトウェアモジュールの共有のみでなく、実時間会話機能などを追加することにより、共同開発をより円滑に行えるように支援するシステムの開発等が行われている。一方、ソフトウェアの開発環境として、コンパイラを提供するのではなく、SmalltaIk-80、Xerox Lisp、Symbolics Lisp等のように環境を提供する言語がある。これらの言語においては、環境が個人に閉じており、環境の機能を容易に変更・拡張することが可能であるため、開発者は自分の利用し易いよう環境に手を加えることにより、プログラム開発効率を向上させることが可能である。しかしその反面、複数人が別々の環境を用いて共同開発を行うため、開発したソフトウェアモジュールが個人の環境に特化した形となり易く、それらを統合して一つのアプリケーションとする場合のモジュール間の整合がとれず、統合が困難になるという問題が生じる。従って、環境型言語を使用して共同開発を行う際にはこれら個人環境の差異を吸収し、共同作業を支援するシステムが必要である。現在我々は、環境型言語であるSmalltalk-80を用いてソフトウェアの共同開発を行っている。本研究の目的は、Smalltalk-80の環境型言語としての利点を維持しながらLAN上のワークステーションを利用してソフトウェアの共同開発を行うための支援システムを開発することである。特に本稿では支援システムのツールの一つとして、ネットワーク上で共有されるソフトウェアモジュールのブラウジングを行うための共有ブラウザについて述べる。
1992-02-24

Smalltalk-80における共同開発支援のための共有ブラウザの開発

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