オブジェクト指向手法による金融機器用ソフトウェアの開発 : 開発戦略/概要
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概要
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従来のATMは専用OS,専用の開発言語で開発され以下の特徴を有するものである。1.一取り引きの処理時間はATMメカ部の性能向上もあって各社の差別化の対象となっており、高速性が要求される。専用OSはその性能を最大限引き出すのに役立ってきた。2.銀行業務サービスの変化に伴い仕様の追加・変更が頻繁に発生する。カスタマイズ性が商品のライフサイクルを大きく左右する。3.一部全銀協システムなど標準化されているものもあるが、大多数は各銀行の独自仕様である。如何にユーザ間の機能差を吸収するかが鍵となる。一方、近年の金融界においては銀行間の合併に伴う情報機器のマルチベンダ化、サービスの国際化と多様化、窓口業務の一層の自動化、およびEC、マルチメディア化などの新たな文化の到来に対してATMをはじめとする金融向け情報機器は確実にこれらの要請に答える必要が出てきた。しかし、これらのニーズに現行の専用OS環境下で構築することは現実的に不可能に近い。すなわち上記の特性を維持しつつオープン環境への移行が不可避な状況である。オープン環境に移行することによりマルチメディア、ネットワーキングおよび高い生産性が期待できる開発支援系などを手にすることが可能になる。反面、導入ソフト費用、品質の確保、版数の更新およびセキュリティ問題といったオープン文化の洗礼を覚悟しなくてはならない。筆者らは、オーブン化時代に相応しいATMを再構築する機会を得た。本実装においては特に処理性能、カスタマイズ性、および開発した資源の再利用を重視した設計を行った。資源の再利用、カスタマイズ性の観点からはオブジェクト指向設計に基づいた開発を行った。本稿においては、オブジェクト指向設計を導入した目的および全体のソフトの特徴を示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
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折原 幾夫
沖電気工業株式会社ユビキタスサービスプラットフォームカンパニー
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新田 哲二
沖電気工業(株)
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新田 哲二
沖電気工業
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山本 実
沖電気工業(株)
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馬場 英嗣
沖電気工業(株)
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西見 光世
(株)沖ソフトウェア九州
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折原 幾夫
沖電気工業(株)
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