リアルタイムOSにおける高速応答性能の実現と透過的なOSモデルの実現
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概要
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近年、リアルタイムシステムにおいては、組み込み用OSとしての性質上、そのサイズや処理速度に加えて、リアルタイム性能上もっとも重要なものの一つである割り込み応答性能が要求されている。ここで、特にリアルタイムシステムにおける割り込み応答性能は、アプリケーションによるところが大きい処理速度と違い、OSの性能で決まることが多いので、近年OSに対する要求が高まっている。また、リアルタイムシステムを構築する際、開発体制の関係から、OSは、ある種のユーザに対してはOSの動作に対する透過性を持たせて、システムを最適化できるようなモデルを提供し、他のユーザには、ハードウェアを完全に隠蔽したモデルを提供する必要がある。今回開発した、リアルタイムOS rtos V3.0は、ITRON Iに準拠し、リアルタイムシステムに必要な機能を提供する。また、割り込み遅延時間については、(ソフトウェアとして)0という性能を実現したOSである。また、本リアルタイムOSは、ユーザからみたOSの透過性を高くするため、ユーザに対するインタフェースをシステム(OS回り)構築者用、および、その他ユーザ(アプリケーション構築者)用のインタフェースを用意した。システム構築者用インタフェースでは、OS資源の取り扱いやプロセッサリソースなどをユーザに開放し、動作などの透過性を高くし、制約条件を守ったシステム設計を容易にしている。アプリケーション構築者用のインタフェースでは、IRON準拠のモデルを提供している。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
-
古城 隆
日本電気(株)C&C共通ソフトウェア開発本部基本システム開発部
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下島 健彦
日本電気(株)c&c共通ソフトウェア開(本)基本システム開発部
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大橋 範夫
日本電気(株)c&c共通ソフトウェア開(本)基本システム開発部
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市瀬 規善
日本電気(株)C&C共通ソフトウェア開(本)基本システム開発部
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古城 隆
日本電気(株)c&c共通ソフトウェア開(本)基本システム開発部
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市瀬 規善
日本電気(株)c&c共通ソフトウェア開(本)基本システム開発部
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