多変数連立代数不等式の解法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
多変数連立不等式の求解における困難は,その解が無限個存在することにある.すなわち無限個の解のすべてについて数値解を得ることは不可能であるため,必然的にそれら無限個の解の中から1つ以上の数値解を計算し,それを解の代表点として示すかあるいは解の不在を示すことになる.本稿では,多変数連立不等式の解法として,その求解問題を閉域における関数の最小値問題に帰着させる方法について述べる.この解法では,まず,空間上で最小値を持つ関数を評価関数として導入する.そして,連立不等式で与えられる制約条件のもとにおける評価関数の最小点を計算することによって,その連立不等式の解の代表点を求める.最小点が存在しない場合,与えられた連立不等式は解を持たない.本解法では,評価関数の最小点の計算にはLagrange乗数法を用いている.本稿の構成は以下の通りである.まず第2節において問題設定および提案する解法の基本的な概念を説明したあと,その具体的な方法について述べ,第3節では実際の計算例を示す.なお,本解法では実数解のみを対象としており,また,連立不等式の中には方程式も含まれるものとする.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20
著者
関連論文
- IMACS-ACA'98
- 新たな条件式の導入による多変数連立代数方程式の解法
- 制約ベース型初期設計支援システム
- 制約ベース型初期設計支援システム (数式処理における理論と応用の研究)
- 3ZC-8 汎用的過少制約評価技術に基づく機械設計支援システム(曲面と設計,一般講演,インタフェース)
- 数式処理的手法に基づく過少代数制約問題の数値解法
- 制約評価技術に基づく初期設計支援システムの開発 (数式処理における理論と応用の研究)
- 初期設計支援システムの機能概要と課題
- 過小代数制約評価系とその機械設計への応用(数式処理における理論と応用の研究)
- 過小代数制約問題における矛盾の簡易検出法
- 代数不等式制約評価アルゴリズム
- 一変数方程式導出計算の効率向上に関する考察
- 多変数連立代数不等式の解法
- 不等式制約をともなう多変数連立代数方程式のグレブナ基底による解法