新たな条件式の導入による多変数連立代数方程式の解法
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概要
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多変数連立代数方程式の解法においては,数値解に含まれる誤差の評価方法が重要な問題となる.もしも誤差が適切に評価されなければ,数値解として真の解の近似値が得られないばかりか,真の解とは無縁なものも数値解として得られてしまうこともありうる.本論文では,新たな条件式を導入することによって誤差を適切に評価して数値解を得る解法を提案する.本解法の利点は,真の解の近似値をすべて求めるために許容誤差が満足しなければならない条件を明らかにできる点にある.すなわち,従来の解法でも許容誤差を十分に小さく設定すれば真の解の近似値をすべて求めることは可能であるが,そのために許容誤差が満足しなければならない条件は明らかではなく,したがって得られた数値解が真の解の近似値であることは保証されない.これに対して本解法では,真の解の近似値をすべて求めるために許容誤差が満足しなければならない条件がその計算過程において明らかとなる.必要に応じて設定許容誤差を自動的に更新することにより得られた数値解が真の解の近似値であることを保証できる.なお,本論文では解の個数は有限個であるとし,解として実数解のみを対象としているが,変数をその実部と虚部に分離することによってすべての複素数解を求めることも可能である.
- 1995-12-15
著者
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