ブラウン法の変形
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概要
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1変数の4次方程式の解を求める場合、一般的には、ニュートン法等による反復解法や、直接解法としては、フェラリ法(Ferrari:1522-1565)が用いられることが多いが、反復解法よりも、直接解法の方が都合の良いことが多い。その理由としては、次のようなことが挙げられる。(1)直接解法の方が、経験的なことであるが、反復解法よりも演算回数が少ない。(2)計算時間の予想、すなわち、計算機使用費用の見積もりが容易である。4次方程式の解法であるフェラリ法では、3次の係数を零にする座標変換を行うので、それによる情報落ちによって、4次方程式に含まれる4つの解の中で絶対値の小さい解は精度が悪くなるという問題がある。ここで述べる、ブラウン法は座標変換を行わず、4次式を2つの2次式の積に直接変形するアルゴリズムである。現在、用いられているブラウン法では、実際に有限桁で解を求めると、絶対値が桁違いに異なる解を持つ場合には、絶対値の小さな解は、計算途中における桁落ちの誤差によって、相対誤差が大きく入り、正確な値は求められない。今回、演算によって桁落ちする計算式を桁落ちの起こらない計算式に変更することによって、絶対値の小さな解も、与えられた係数の精度より当然得られる精度で求めることができた。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27
著者
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