英語基本動詞のコア概念を用いた英語文意味解析
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概要
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意味解析においては、人力文から意味的に正しい解釈の行える意味構造を抽出せねばならず、その際いくつかの問題点がある。まず、単語の持つ多義の問題がある。単語は基本的な語であるほど多くの語義を持っており、様々な状況、文脈に応じた語義、意味素性を選択することは難しい。また、構文解析の曖昧さをも含めば、長い文の曖昧暖さは組み合わせ的に増加し、処理の爆発が起きる。次に、意味解析を行うアルゴリズム自体の問題がある。従来の意味解析によく用いられる格解析では、動詞の格フレーム、名詞の意味素性等を用いて、動詞とその格要素となる主名詞の意味的整合性をチェックし、動詞と格要素間の関係(深層格)を抽出している。しかし、この方法では文の持つ本質的な意味の解析をしたことにはならない。そのため、比喩、慣用表現といった言い回しを正しく意味解釈することが出来ず、また、似通った表現の持つ細かな意味の違いを理解することが出来ない。意味構造モデルとしてどのようなものを準備し、いかに人力文が持つ意味構造を構築するかが大きな課題である。これらの問題を解決するためには、汎用性の高い語義記述、それを用いて意味構造を構築するための理路整然とした意味素性の記述体系を準備しなければならない。コア理論では、"形が同じならば同じ意味を持ち、形が違えば意味も違う"という観点から、文脈に依存せずに多義を包摂した、抽象度の高い語義記述(コア概念)を用いることにより意味構造を構築する。本稿では、前述の問題を解決するために、英語文の意味解析に基本動詞のコアを導入し、汎用性の高い語義記述の在り方を示す。さらに比較的似通った意味を表現する動詞の間の、微妙なニュアンスの違いの解析を試み、コア概念導入の有効性を示す。figure
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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