文脈処理としての日本語文生成 : 科学技術論文作成支援システム開発への試み

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日本語ワードプロセッサに代表されるOAの普及と共に、文書作成支援システムの重要性がエンドユーザの間でも話題にのぼるようになった。文書の作成では、環境の改善、新たなツールの提供など、研究・開発者側の努力にも関わらず、ユーザにとってはいまだ「与えられた場・与えられた道具に人間側が合わせて行く」といった感があることも認めざるを得ない。人工知能(AI)や自然言語処理といった知識工学と呼ばれる研究分野では、こうした現実場面に即した問題や要求に対し、多くの提案や幾つかの解決策を投じてきたが、エキスパートシステム、自動翻訳システム等の成功以降、実用システムの登場を見ていない。より詳細な点では、これに対する研究・開発者側の答の中には、「AIかな漢字変換」があり、「日本語スペルチェッカ」、更には「自動推敲システム」があり、「アイディアプロセッサ」がある。しかしながら、知的資産としての既存の文書に対する価値基準は低く、現実としてあまり問題にされていないと思われる。これは、従来のソフトウェア開発におけると同様の問題を呈するものであると考えられる。そこで我々は、こうした現状に対するひとつの試みとして、以下の関連の研究を進めている。1.科学技術論文を対象とした文書の作成支援 2.同文書の部品化再利用 3.同文書の自動合成本稿では、科学技術論文における日本語文の生成に関して、文脈処理の立場から考えられる手法の提案と、この手法による文生成の実際、および現時点での問題点を示し、将来的なシステム拡張に対する考察を述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-09-04

文脈処理としての日本語文生成 : 科学技術論文作成支援システム開発への試み

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