PET, MRIによる視覚皮質マッピングに関する研究

概要

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ヒトの視覚系の信号のすべてが大脳の後頭葉に集まることは、実験的に証明されており、大脳のこの部分は有線野(17野, striate area)と呼ばれている。網膜上の各部分は、かなり精密に大脳皮質のそれぞれの部分に対応し、網膜が大脳上に幾何学的に射影されている。このような網膜と大脳皮質の間の1対1の対応は、臨床学的研究が古くからなされている。この大脳有線野の網膜射像については、長い間 Holmesの論文が引用され続けてきた。しかし、1991年にHortonとHoytが3症例をMRIで検討したところ、中心視覚領域が、Holmesマップ (図1)の示す領域よりも広いと言う結論にいたっている。したがって、より正確なマッピングを行うことが、脳の局在機能の研究において重要である。また、現在、眼科で行なわれている視野検査は、視標の光が見える閾値を検出する検査であり、それは自覚的検査であって主観的であり、客観的検査ではない。さらに、視野力残存していても感度が低下している場合や被検者が意志表示できない場合には、結果を評価しにくいなどの問題点が挙げられる。そこで、客観的検査法として、PET(Positron Emission tomography), MRI(Magnetic Resonance Imaging)が用いられている。PET検査では、安静時や視覚刺激時の局所脳血流量の変化を定量的に計測できることから, 視野欠損の研究に用いられている。しかし、視野と賦活された第一次視覚野の正確な位置関係についての報告はほとんどない。そこで、本研究は、第一次視覚野での視野再現性マップを作成することを目的として、MRIから得られる解剖学的情報とPETから得られる視覚野の情報を融合する方法を検討した。[figure]
社団法人情報処理学会の論文
1994-03-07

PET, MRIによる視覚皮質マッピングに関する研究

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