相関行列型連想記憶モデルによる時系列データの学習

概要

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生命体に対して呈示された情報は、その情報の物理的構成が同じであっても、異なったものとして受け取られることがある。また生命体の内部状態は、外界および内界からの情報によって、時々刻々変化している。例えば、同じ周波数の音であっても、それが10秒間呈示されたときの「青」と、10分間呈示されたときの「音」とは、生命体にとっても「意味」は異なったものである。行動レベルでも同じことが言える。空腹時の餌刺激に対しては、活発な唾液腺反射が生起するが、満腹時に同じ餌刺激を呈示しても、唾液腺反射の賦活量は空腹時に比して相対的に低い。これは、刺激呈示によって、生命体の内部状態が変化し、また、その内部状態によって、入力された情報の「意味」が決まるからである。このような生命体の学習をシステム上で実現するためには、時系列にそって入力される刺激情報を記憶・学習するモデルが必要となる。Kohonen,Tによる連想記憶は、項目一項目の対連合の学習のモデルとしてよく用いられているものであり、上記のような学習事態を説明する上でも有効なモデルであると考えられる。本論文の目的は、時系列に沿って入力される刺激を学習するモデルを連想記憶モデルを基礎として構築し、その挙動を確認することである。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-09-04

相関行列型連想記憶モデルによる時系列データの学習

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