PARPスーパーファミリータンパク質 : その後の研究の進展
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概要
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ポリ(ADP-リボシル)化は, リン酸化, メチル化, アセチル化, ユビキチン化, グリコシル化などと同様, タンパク質の翻訳後修飾反応の1つとして知られており, 主に真核生物の核内において見られる. 本反応は, NADを基質とし, そのADP-リボース部位が, ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(EC2.4.2.30:poly(ADP-ribose)polymerase, 以下, PARPと略す)によって, ヒストンなどのアクセプタータンパク質に転移する反応が触媒され, 一方生成したポリ(ADP-リボース)鎖は, ポリ(ADP-リボース)グリコヒドラーゼによって分解を受ける. すなわち, この負電荷および高分子量のポリ(ADP-リボース)基による一連の可逆的な付加によって, 標的タンパク質の機能を修飾するものである. リン酸基やアセチル基などに比べると高分子であるポリ(ADP-リボース)基による修飾は, タンパク質の機能をよりドラスティックに制御することが予想される. ただし客観的な立場から意見を述べれば, 従来は他の翻訳後修飾反応に比べると, 一般的な見知からの認識は若干乏しく, ある種, 特殊な研究領域であった感が否めない.
- 日本ビタミン学会の論文
- 2005-02-25
著者
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田口 寛
三重大院・生資・分子細胞生物学
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緒方 進
三重大院・生資・分子細胞生物学
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田口 寛
三重大生資
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緒方 進
三重大生資 分子細胞生物学
-
Ogata S
Lab. Of Molecular And Cellular Biology Graduate School Of Bioresources Mie Univ.
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