ゲノム刷り込みを受けるIGF2遺伝子および受けないTNFとRFC5遺伝子のヒト・リンパ球におけるDNA複製順序

スポンサーリンク

概要

• 論文の詳細を見る

• We have analyzed the replication timing of DNA segments of the imprinted IGF2(insulin-like growth factor II ) gene and non-imprinted genes in human lymphocytes by fluorescence in situ hybridization (FISH). In principle, intranuclear FISH signals of each DNA segment are characterized in three groups according to the replication status of each parental allele; two singlets (SS), singlet-doublet (SD), and two doublets (DD). Non-imprinted genes, both of ?NF (tumor necrosis factor) and RFC5 (replication factor C subunit 5), showed a smaller percentage of the SD pattern, while IGF2 gene had a higher percentage of the SD pattern, suggesting that the imprinted IGF2 gene replicates asynchronously between its homologous alleles. As the results, together with previous observation, we concluded the temporal order of DNA replication of three genes in human lymphocytes to be as follows : Both alleles of TNF, paternal allele of 1GF2, both alleles of RFC5, and then maternal allele of IGF2.蛍光 in situ hybridization (FISH)法を用いて, ヒト0リンパ球におけるDNA複製タイミングをゲノム刷り込みを受けるIGF2(インスリン様成長因子型)と受けないTNF(がん壊死因子)およびRFC5(複製因子C第5サブユニット)遺伝子について解析した。各ゲノム断片の細胞核内FISHシグナルは,原理的に,それぞれが由来する親アレルの複製状態に従って,2つのシングルドット(SS),シングルドットとダブルドット各一個(SD),2つのダブルドット(DD)の3つのグループに大別される。ゲノム刷り込みを受けないTNF, RFC5は, SDパターンの割合が小さいが,刷り込みを受けるIGF2はSDパターンが高く,アレル間で非同調的に複製することが示唆された。これらの結果とこれまでの報告とあわせて, これらの遺伝子の複製が,TNFの両アレル,IGF2の父方アレル,RFC5の両アレル,IGF2の母方アレルの順に進行すると結論した。

• 三重大学の論文

著者

• 田口 寛

  三重大院・生資・分子細胞生物学

• 奥村 克純

  三重大・生資

• 田口 寛

  三重大学生物資源学部生命科学科

• 奥村 克純

  三重大学生物資源学部生物圏生命科学科

• 籠谷 和弘

  三重大学 生物資源・分子細胞生物学

• 籠谷 和弘

  三重大学生物資源学部生物機能応用科学

• 菱田 浩司

  三重大学生物資源学部

• 香田 淳

  三重大学生物資源学部

• 野上 正弘

  三重大学生物資源学部

• 野上 正弘

  三重大・生物資源 遺伝研・進化

• 香田 淳

  三重大学 生物資源・分子細胞生物学

• 籠谷 和弘

  三重大学生物資源学部

関連論文

• 2-III-14 ゲノム維持機構におけるPARP-1とPARP-2の挙動の解析(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨)
• 2-III-15 ニコチン酸関連化合物によるヒト白血病細胞K562の分化誘導機構に関する研究 : タンパク質アセチル化レベルの解析(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨)
• NADワールドの重要性 : SirtuinファミリーSIRT6により制御される新たな機能
• ニコチン酸,ニコチンアミドおよびイソニコチン酸のヒト白血病細胞に対する分化誘導
• 9.細胞死誘導過程における形態変化制御機構にニコチンアミドが及ぼす影響(第416回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
• 4.ニコチン酸および関連化合物(B群ビタミン研究の最前線-生理作用から薬理作用まで-,シンポジウム(平成20年度),ビタミンB研究委員会)
• 1-II-9 ニコチン酸関連化合物によるヒト白血病細胞K562の分化誘導における作用機構の検討(一般研究発表,日本ビタミン学会第61回大会研究発表要旨)
• 1-II-10 ニコチンアミドによるアポトーシスにおける形態変化抑制機構の解析(一般研究発表,日本ビタミン学会第61回大会研究発表要旨)
• 第4回中日国際ビタミン学会議(西安)報告
• 水溶性ビタミンであるニコチン酸およびその関連化合物による生活習慣病の予防と治療を目的とする有効利用への試み
• 寿命延長制御におけるNADの役割
• 9. NAD酵素サイクリング法を用いた新規DNA損傷評価法の開発とその応用(第412回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
• ヘテロクロマチン形成時におけるSIRT1によるヒストンメチル化酵素SUV39H1制御機構
• 1-II-5 ニコチン酸関連化合物によるヒト慢性骨髄性白血病細胞K562の分化誘導効果について(一般研究発表,新世紀ビタミン学の展望と先進的展開を目指して,日本ビタミン学会第60回大会発表要旨)
• 1-II-4 ニコチンアミド処理によりヒト白血病細胞HL-60において発現が変動する遺伝子の解析(一般研究発表,新世紀ビタミン学の展望と先進的展開を目指して,日本ビタミン学会第60回大会発表要旨)
• 10.ニコチンアミドおよびその関連化合物によるヒト白血病細胞HL-60の顆粒球様細胞への分化誘導機構に関する検討(第410回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
• オキシトシン制御による社会行動におけるCD38の役割
• NADワールドの新展開：最新のトピックスと展望
• 各種食品の抗酸化能の測定と加工による抗酸化能上昇の検討
• 7. 細胞死誘導機構におけるニコチンアミドなどによる形態変化抑制効果の作用機構について(第407回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
• 各種めっき金属の活性酸素との相互作用について
• マウスPeptidylarginine deiminase Type遺伝子構造と染色体マッピング
• 2-II-36 細胞死誘導時ニコチンアミド類による形態変化抑制効果に対する作用機構の解析(ビタミン学の原点・栄養学への21世紀的回帰, 日本ビタミン学会第59回大会)
• 2-II-35 ヒト白血病細胞HL-60の分化誘導過程における細胞内NADH量の解析(ビタミン学の原点・栄養学への21世紀的回帰, 日本ビタミン学会第59回大会)
• 2-II-34 白血病の分化誘導治療におけるニコチン酸関連化合物による併用効果の検討(ビタミン学の原点・栄養学への21世紀的回帰, 日本ビタミン学会第59回大会)
• 2-II-17 ヒト白血病細胞HL-60の細胞死においてニコチンアミドが制御するイベント(一般研究発表,日本ビタミン学会 第58回大会研究発表要旨)
• 2-II-16 ヒト白血病細胞HL-60の顆粒球様細胞への分化誘導後に起こる細胞死の解析(一般研究発表,日本ビタミン学会 第58回大会研究発表要旨)
• 2-II-15 ヒト白血病細胞HL-60の分化誘導における遺伝子発現制御へのニコチンアミドの関与(GGA)によるmicroRNAの発現調節(一般研究発表,日本ビタミン学会 第58回大会研究発表要旨)
• 2-B-23 ニンニクの加工処理がその機能性に及ぼす影響(第57回大会一般研究発表)(第57回大会研究発表要旨)
• 2-B-11 ニコチンアミドによるヒト白血病細胞HL-60の分化誘導過程におけるミトコンドリアの関与(第57回大会一般研究発表)(第57回大会研究発表要旨)
• 2-B-10 ヒト白血病細胞HL-60の細胞死誘導過程においてニコチンアミドによる形態変化抑制効果の作用機構(第57回大会一般研究発表)(第57回大会研究発表要旨)
• Detection of DNA Damages Induced by Five Model Chemicals in Goldfish Carassius auratus Cells Using Comet Assay
• 2-III-4 ヒト白血病細胞においてナイアシンが細胞内NAD量およびミトコンドリアに及ぼす影響(第56回大会一般研究発表)
• 2-III-3 ヒト白血病細胞HL-60の分化誘導過程におけるポリ(ADP-リボシル)化の解析(第56回大会一般研究発表)
• 2-III-2 ヒト白血病細胞HL-60のcaspase非依存的細胞死制御機構にニコチンアミドが及ぼす影響(第56回大会一般研究発表)
• Expression of CD38 in Human Promyelocytic Leukemia HL-60 Cell Line during Differentiation by Niacin-related Compounds(Biochemistry & Molecular Biology)
• Induction of Differentiation in Human Promyelocytic Leukemia HL-60 Cell Line by Niacin-related Compounds(Biochemistry & Molecular Biology)
• 2-II-33ピコリン酸の経口投与が動物個体に及ぼす影響について(第55回大会一般研究発表)
• 2-II-32ナイアシン関連化合物によるHL-60の分化誘導過程におけるCD38の発現(第55回大会一般研究発表)
• 2-II-31細胞死制御機構におけるニコチンアミドの役割について(第55回大会一般研究発表)
• 2-II-30Heat Shock誘導アポトーシスにおけるナイアシン関連化合物の影響について(第55回大会一般研究発表)
• Replication Timing Properties within the Mouse Distal Chromosome 7 Imprinting Cluster(Biochemistry & Molecular Biology)
• ナイアシン関連化合物によるHL-60の分化誘導作用および細胞内NAD量の測定
• アポトーシス誘導過程におけるNAD代謝の役割について
• アポトーシスの形態変化におよぼすニコチンアミド関連化合物の影響
• Radical Scavenging Activities of Niacin-Related Compounds(Biochemistry & Molecular Biology)
• Apoptosis induced by Picolinic Acid-related Compounds in HL-60 Cells(Biochemistry & Molecular Biology)
• Preparation of Extended Metaphase Chromosomes from Human Cultured Cells Using a Topoisomerase II Inhibitor, ICRF-193
• Visualization of Biallelic Expression of the Imprinted SNRPN Gene Induced by Inhibitors of DNA Methylation and Histone Deacetylation
• 1-II-14 フローサイトメリーによるポリ(ADP-リボシル)化の簡便・迅速な解析法
• ニコチン酸関連化合物による肺癌細胞の死滅効果
• J-26 生体成分のピコリン酸による小細胞肺癌細胞の死滅効果
• FISH法によるインプリント遺伝子の複製タイミングの解析 : 動物
• FISH法によるヒトMHC領域のDNA複製タイミングの解析 : 動物
• ゲノム刷り込みを受けるIGF2遺伝子および受けないTNFとRFC5遺伝子のヒト・リンパ球におけるDNA複製順序
• 統括的に複製制御を受けるゲノム領域の探索 : 動物
• HL60細胞におけるSNRPN遺伝子の核内配置
• ヒト新規セリン/スレオニンキナーゼAikの機能解析
• TSC-22のヒトホモログのクローニングと染色体マッピング
• FISHによるヒト・ゲノムの複製タイミングと核内配置の解析 : 動物
• 各種食品中のキノリン酸,トリゴネリンおよびN^1-メチルニコチンアミドの含量ならびに加熱によるそれらのニコチン酸,ニコチンアミドへの変換
• 1-II-3 コーヒー植物体におけるトリゴネリンの生合成(第38回大会研究発表要旨,日本ビタミン学会)
• 加熱によるトリゴネリンのニコチン酸への変換 : 一般研究発表要旨
• トリゴネリンの脱メチル化酵素の存在 : 日本ビタミン学会第36回大会一般研究発表要旨
• トリゴネリンの生合成と代謝並びにその生理作用
• FISH法によるDiGeorge syndrome原因遺伝子領域の複製タイミングの解析
• 1-II-10 ナイアシン関連化合物がアポトーシス誘導に及ぼす影響
• 1. ユーグレナにおけるNADの生合成と代謝の経路に関する検討
• 2-II-22 過酸化水素誘導によるG_2/M期での細胞周期制御機構におけるcdc25C及び14-3-3プロテインの関与
• 2-III-23 紫外線誘導アポトーシスにおける3-アミノベンズアミドの影響について
• 2-III-1 タバコ培養細胞における新規のナイアシン代謝産物 : 1-O(β-D-グルコピラノシル)ニコチン酸の同定 : 第49回大会一般研究発表要旨
• 3-III-6 コーヒー植物体中に見つかったナイアシン結合タンパク質について : 第48回大会研究発表要旨 : 一般研究発表要旨
• 3-III-5 ユーグレナにおけるNADの生合成経路について : 第48回大会研究発表要旨 : 一般研究発表要旨
• 3-III-4 ヒトリンパ球においてナイアシンが細胞内NAD量およびDNA修復に及ぼす影響について : 第48回大会研究発表要旨 : 一般研究発表要旨
• ユーグレナにおけるNADの生合成について : 酵素
• ラットにおけるニコチン酸-N-グルコシドの代謝について : 動物
• 2-I-23 ニコチン酸N-グルコシド : タバコ培養細胞におけるナイアシンの主要代謝産物としての同定及びラットにおける代謝について : 第47回大会研究発表要旨
• 2-II-11 ニコチンアミド類縁化合物がタバコ培養細胞のニコチンアミダーゼ活性に及ぼす影響 : 第45回大会研究発表要旨
• タバコ培養細胞のニコチンアミダーゼ活性に及ぼすベンズアミドの影響
• シンコメロン酸による大腸菌の生育促進効果
• アオウキクサ(Lemna pausicostata 151)のニコチンアミダーゼの性質ならびに花芽誘導との関連性の考察
• 1-I-12シンコメロン酸及び関連化合物の植物に対する生長促進作用 : 第43回大会研究発表要旨
• ダイコン幼植物に対するシンコメロン酸の生長促進作用
• エノキタケのニコチンアミダーゼの性質
• 精製ニコチンアミドメチルトランスフェラーゼを用いたS-アデノシル-_L-メチオニンの酵素的定量法の基礎的研究
• 2-II-24ラット肝ニコチンアミドメチルトランスフェラーゼの性質とS-アデノシル-L-メチオニン定量への応用 : 第42回大会一般研究発表
• ニコチンアミドメチルトランスフェラーゼの分布とブタ肝臓酵素の基本的性質
• ニコチンアミダーゼの分布と基本的性質
• 1-II-12 アポトーシス誘導時における細胞内NAD量の変化の解析
• 1-II-9 ホマリン生合成酵素の検出とその性質 : 第46回大会研究発表要旨
• ゲノムインプリンティングにおけるポリ(ADP-リボシル)化の役割
• クロマチン構造や転写の制御機構におけるPARP-1によるNAD依存的な調節
• 2.細胞死誘導機構における形態変化制御タンパク質に及ぼすニコチンアミドの影響(第403回ビタミンB研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
• 3.ヒト白血病細胞HL-60の分化誘導過程における遺伝子発現制御機構へのニコチンアミドおよびその関連化合物の寄与の可能性について(第402回ビタミンB研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
• SIRT1によるNAD依存的な遺伝子発現制御機構
• 日本ビタミン学会第57回大会の企画にあたって(第57回大会研究発表要旨)
• 日本ビタミン学会第57回大会の企画にあたって
• 14.細胞死誘導機構におけるニコチンアミドによる形態変化抑制機構の解明(ビタミンB研究委員会第399回研究協議会研究発表要旨)
• PARPスーパーファミリータンパク質 : その後の研究の進展
• 12.ヒト白血病細胞においてニコチンアミドがミトコンドリアにおける種々のイベントに及ぼす影響(第398回ビタミンB研究委員会研究発表要旨)

もっと見る 閉じる

スポンサーリンク