テトラヒドロビオプテリンの研究に関する最近の進歩(ビタミン類縁化合物に関する最近の研究)
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概要
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テトラヒドロビオプテリン(tetrahydrobiopterin, BH4)はGTPから生合成される. BH4の生合成は, GTPcyclohydrolase I(GCH), 次いで6-pyruvoyltetrahydr opterin synthase(PTPS), sepiapterin reductase(SPR)という3つの酵素に担われている(図1). 律速段階の酵素であるGCHの遺伝子発現は様々なホルモン, サイトカインによって制御されており, GCHの発現量は細胞内のBH4量の調節にとって非常に重要である. 生体内におけるBH4の役割は, 補酵素としての還元作用である. BH4を必須の補酵素とする酵素としては, phenylalanine hydroxylase(PAH), tyrosine hydroxylase(TH)および tryptophan hydroxylase(TPH)という3種の芳香族アミノ酸水酸化酵素と, nitric oxide synthase(NOS)が知られている. PAHは肝臓においてフェニルアラニンをチロシンに代謝する酵素であり, PAHまたはBH4合成酵素の遺伝子変異は高フェニルアラニン血症の原因となる. また, THはカテコールアミン(ドーパミン, ノルアドレナリン, アドレナリンの総称)生合成の律速酵素, TPHはセロトニン, メラトニンの生合成酵素であり, これらの神経伝達物質やホルモンの合成にBH4は必須の補酵素である.
- 日本ビタミン学会の論文
- 2005-02-25
著者
-
一瀬 宏
東京工業大学大学院生命理工学研究科
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鈴木 崇弘
東海大学医学部眼科学教室
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鈴木 崇弘
東京工業大学大学院生命理工学研究科
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鈴木 崇弘
東大・薬
-
一瀬 宏
東京工業大学大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻
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一瀬 宏
東京工業大学大学院 生命理工学研究科
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