集合演算アルゴリズム習得のためのITSの研究開発(3)
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概要
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知的CAIにおいて,教授・学習過程を通して,学習者の理解状態に即した教授展開,問題選択(生成)を適応的に推論・決定していく機能が望まれる.筆者らはこれまでに数学の学習世界を対象とした知的CAIを研究・開発してきた.その中で,基本的に限定された学習世界において,エキスパートの機能を拡張することで,様々な教授行為を実現できることが明らかになった.しかし,前述したチュータリングシステム固有の機能を実現させるといった問題に関しては,まだ十分な技術が確立されていない.そこで本研究では,集合の演算という学習世界において,(1)学習者の理解に対応した問題選択・生成機能,(2)理解状態を条件とした問題誘導,(3)学習プロセスを通して学習者モデルを動的に構築する手法を検討する.本システムは,初等集合演算における基本的法則を理解させ,その適用の方法を習得させる知的CAIである.そのためにシステムは,次の機能を有する.(1)式の簡略化,要素を求めるといった集合演算におけるエキスパート機能,(2)演算過程の提示およびvenn図を用いた集合式の意味の提示といった説明機能,(3)質問応答機能.このような問題解決および教授機能を具備させることにより,知的CAIにおけるエキスパートモジュールの構築手法を明確にし,さらに個々の学習者の理解状態を認識・診断し,妥当する教授活動を動的に推論決定させていくシステムの構築が,本研究の目的である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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