ジョブ・ショップ・スケジューリング・ドメイン・シェルの検討
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概要
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現在、スケジューリング・システムにおいて、AI技術の応用に期待が増大している。AI技術の中でも、エキスパート・システム(ES)の有効性と実用性が人々に認識され、その需要が多くなっている。ESを開発するためには、通常、汎用のES構築シェルが使われている。これによる開発は困難で、多大な工数を要する。その理由として、ドメイン(分野)の知識表現が複雑で難しいという事が挙げられる。ここで、ドメインの知識を持つES構築シェル(ドメイン・シェル)が存在すれば、汎用ES構築シェルでのES構築と比較して、はるかに簡易に、早くESを構築できる。本稿では、スケジューリング・ドメインの内、ジョブ・ショップ・スケジューリング・ドメインに注目し、このドメインの様々な事例のESの、簡易な構築を支援するジョブ・ショップ・スケジューリング・ドメイン・シェル(以下、ドメイン・シェルと略す)の検討を行なった結果を述べる。ジョブ・ショップ・スケジューリング・ドメイン(以下、ジョブ・ショップ・スケジューリングをスケジューリングと略す)には、大きく分けて、スケジューリングの手順を表わす知識、スケジューリングの手順の各項目を表わす知識の2つが存在する。まず、これらの内容を事例の知識により明確にした。次に、スケジューリング手順の各項目ごとの事例の知識を抽象化し、これをスケジューリング・ドメインに共通な知識とした。この知識は、3種類に分類できた。このことを利用して、簡易で、かつ柔軟に知識を入力するドメイン・シェルを実装した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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小島 昌一
(株)東芝システム・ソフトウェア技術研究所
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小島 昌一
(株)東芝研究開発センターシステム・ソフトウェア生産技術研究所
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三条 水奈子
(株)東芝システム・ソフトウェア技術研究所
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小島 昌一
(株)東芝
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