VLIW計算機における条件実行制御と最適化コンパイラの実アプリケーションによる評価
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概要
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VLIW計算機は、並列RISCアーキテクチャの1つであり、最適化コンパイラにより命令を並列にスケジュールすることで性能を上げる計算機である。ここで、並列化スケジューリングの妨げとなるものに、条件分岐が挙げられる。我々が開発したVL2000シリーズでは、条件分岐等の制御構造による依存関係を解消するために、条件実行制御アーキテクチャを採用している。基本的な条件実行制御の利用法としては、条件分岐命令の分岐先から命令を遅延スロットに持ってくる最適化と、ダイヤモンド型のフローグラフに適用する条件実行制御展開が挙げられる。実際、一般的なアプリケーションに対して、これらの最適化によって1割程度の性能向上が図れる。本稿では、この条件実行制御アーキテクチャを、さらに有効に活用するために、コンパイラ最適化処理の強化を行ない、幾つかの実アプリケーションに適用し評価を行なった結果について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-09-20
著者
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森本 展行
(株)東芝情報通信システム技術研究所
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境 隆二
(株)東芝ディジタルメディアネットワーク社コアテクノロジーセンター
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境 隆二
東芝
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遠藤 浩太郎
(株)東芝 情報・通信システム技術研究所
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遠藤 浩太郎
(株)東芝情報通信システム技術研究所
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境 隆二
(株)東芝情報通信システム技術研究所
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境 隆二
(株)東芝 デジタルプロダクツ&サービス社
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