オペレーティングシステムTenderの開発
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概要
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近年、オペレーティングシステム(以降、OSと略す)の機能は高度化し、そのプログラム構造は複雑化している。これらは、大きく2つのことに起因する。1つは、プロセッサ性能の飛躍的な向上である。これにより、ソフトウェアで複雑な処理が可能になっている。ソフトウェア生産性を上げるため、応用プログラム(以降、APと略す)だけではなくOSも高級言語で記述している。また、マルチウィンド機能のような処理負荷の大きい処理をソフトウェアだけで実現している。処理負荷の大きい処理を実現するため、OSは様々な機能を支援している。もう1つは、価格性能比の向上により、計算機の利用形態が多様化していることである。多種多様なサービスの実現は、AP機能だけではなくOS機能の高度化を求める。この結果、OSのプログラム構造も複雑化している。既存の多くのオペレーティングシステムは、機能の実現において、プログラム構造を軽視する傾向にある。その結果、機能の高度化とプログラム構造の複雑化は関係しない筈であるにもかかわらず、そのプログラム構造は複雑化している。筆者は、「プログラム構造」に力点を置き、オペレーティングシステムTender(The ENduring operating system for Distributed EnviRonment)の開発を進めている。本稿では、オペレーティングシステムTender開発の目的、方針、および特徴的な項目について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-09-20
著者
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