視覚障害者用かな漢字変換結果の音声確認のための電子辞書の研究
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概要
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ワード・プロセッサの普及に伴い、現在、視覚障害者も一般のワード・プロセッサを用いて手紙やレポートを書いている。その際に用いられている辞書は、ワード・プロセッサに備え付きの辞書で、収録語数は数万語から多くても10万語程度である。視覚障害者は画面で文字を確かめることができないため、カーソル位置の文字については音声で読み上げる方式をとりながら文書を作成できるようなワード・プロセッサを使用しているが、日本語に多い同音異義語を区別できるように、音と訓の読みわけや漢字の部首とつくりをよみわけられるのは限定されたごく一部の語であり、多くは読みを一通りしかもたず、「正規化」を「まさのり・か」と読まれたのを視覚障害者自身が判断して文書作成を行なっているのが現状である。今回、筆者らは日本電子化辞書研究所で研究・開発された辞書を入手し、調査したところ、この辞書は収録語数約四十数万語、異なり見だし総数約二十数万語で、従来の辞書にない、新しい語を豊富に収容していることがわかったため、これに読みをつけて視覚障害者用ワードプロセッサのユーザインタフェース、特に漢字の読みの改善をめざすこととした。本稿では複数の同音異義語をもつ可能性のある日本語文書作成時において、視覚障害者が音声によってその漢字が確認できるようにする。そのため文書作成の際に視覚障害者が容易に自分の目的とする漢字を変換して音声で確認できるよう、漢字で表記される基本単語(一文字漢字と二文字漢字)を抽出し、それに読みと漢字の詳細な情報を付与した電子辞書を構築する。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1995-09-20
著者
-
鈴木 恵美子
東京家政学院筑波女子大学
-
星 恵子
東京家政学院筑波短期大学
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小川 靖彦
筑波技術短期大学視覚部
-
鈴木 惠美子
東京家政学院筑波女子大学短期大学部 情報処理科
-
小川 靖彦
筑波技術短期大学
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