送信管理簿を用いた送受信メールの関連抽出の試み
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概要
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コミュニケーションの手段として電子メールシステムが業務の中で多く使われるようになってきた。次第に交わされる電子メールの数が多くなり、単位時間当たりに読まなければならない数が増えている。その時点でホットなスレッドの数が増加し、複数のコンテキストに基づく議論がコンカレントに行なわれるようになっている。このような問題点に対し、メールを使用する環境を予め制限することで、一連の流れを把握することができるようにする構造化メールのアプローチが検討がされている。代表的なものに、The CoordinatorやgIBISなどがある。しかし、これらは、予め想定しているコミュニケーションのモデルを逸脱する場合には対処ができない。即ち、予め、コンテキストの大枠を決めてしまっているところに課題があると思われる。一方、メールの構造自体は通常のままとし、メーラが予め設定しておいたフィルタを介して、自動的にカテゴリ毎のディレクトリに振り分けるという手法がある。しかし、これも予め想定しているカテゴリへ振り分けるのであり、時々刻々発生する新しいカテゴリや、細分化されるカテゴリへはフィルタリングできない。また、一通のメールを一つのカテゴリに分類するだけでは、複雑な内容を持つ送受信メール間の関連に対処できない。即ち、複数のカテゴリに関与する場合は、コピーを複数のカテゴリに存在させることや、ラベルを複数付与するしかない。これらの現象を引き起こす原因は以下のようなことであると考えられる。電子メール間の関連は木構造のような単純な構造ではなく、ハイパーなネットワーク構造になっている。事前にカテゴリ付けできる場合は少なく、カテゴリは常に流動(発生/消滅、派生/統合)している。メールのやり取りは、トップダウンの中央集権的な枠組みの中で交わされているのではなく、ユーザ各自の意図により自主的に行われている。本発表は、このような現象に着目し、新しく電子メールを受信した時に、過去に受信もしくは送信した電子メールで関連したものがあるかどうかをナビゲートするシステムについて述べたものである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-09-20
著者
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