ISM法を用いたオブジェクトモデルの構築
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概要
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今日のオブジェクトモデルアプローチは、要求仕様書から名詞とそれに対する動詞を探し、オブジェクトモデルの構築を行うというトップダウン的な分析法で行われる。この分析法は、仕様書の作成を含んではいないがオブジェクトか認識しやすいためオブジェクトアプローチの主流となっている。しかし、この分析法では、要求仕様書の完成度がオブジェクトモデルの完成度に大きく影響する。また、大規模なシステムでは、そうした完成度の高い要求仕様書の作成が困難であると想定される。現状の要求仕様書作成の手順は、既存概念にとらわれずにモデリングが行えるボトムアップ的な分析法で行われる。この分析法は、既存資料から要素を抽出してモデルを構築し、要求仕様書を作成する。しかし、この分析法も分析初期段階における要素抽出の結果などが要求仕様書の完成度に大きく影響する。そこで本論では、要求仕様書作成の段階からオブジェクトモデル作成までを一つのモデリング作業と考え、ボトムアップ的な分析法とトップダウン的な分析法を併用し、オブジェクト指向分析を行いオブジェクトモデルを構築することを提案する。具体的には、トップダウン的なアプローチで既存資料などから要素の抽出を行い、その要素を基にボトムアップ的なアプローチでシステムの構造モデルを構造する。このようにすることにより、従来のボトムアップ分析にくらべ要素抽出が容易になる。また、トップダウン分析にくらべ既存のモデルにとらわれずに柔軟なモデリングが行える。ボトムアップ的な分析の手順は、(1)目的と機能の決定、(2)モデリング、(3)解析、(4)最適化の順に進められる。(1)では、分析対象に関する問題を明確化し、その問題を解決するために必要な機能を明らかにする。(2)モデリングでは、(1)の結果にもとづき対象の構造モデルを構築する。(3)解析では、(2)で構築したモデルが(1)の段階で明確化した目標を満足していることを解析する。(4)最適化とは、いくつかの代替案を比較・評価する。この様にして作成された構造モデルがオブジェクトモデルである。本稿では、2.で具体的な方法論を示す。3.で具体例として「学生の履修申告を支援システム」のモデル構築を行う。学生は、多くの科目の中から自分が将来必要となる知識を学ぶ科目を選択しなければならない。そこで、将来、あるプロになることを目安にして学生の科目選択を支援するシステムを考える。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15
著者
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