三味線奏法譜の情報処理における口三味線の利用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
民族音楽の研究などでは,必ずしも五線譜で表わせる情報だけで充分なわけではなく,五線譜では抜け落ちてしまうものに重要な意義のある場合がある.演奏された結果を,抜け落ちる情報を極力少なく,正確に表そうとするものを記述的記譜などと呼び,その際必要となる微妙な音程や音長も表現できるように,五線記譜法を拡張することもある.しかし,そのような微妙な情報も,その演奏者に意識されているとは限らない.演奏者にとっての音楽の意味を理解するには,その演奏者にとっての音楽の規範を検討する必要がある.演奏における規範を示すのに,奏法譜は有効である.例えば,音楽の種類によっては演奏法やそれによる音色の変化などに重要な意味がある場合がある.そのようなものは,いわゆる五線記譜法では表わし難いのに対し,奏法譜はまさにそれを表している.筆者らはこれまでにも,主に民族音楽学的な研究での利用を目的とした情報処理システムにおいて,尺八の奏法譜および三線(沖縄の三味線)の奏法譜「工工四」を扱って来た.今回は,三味線旋律のデータベース化を目指して,三味線(日本本土の)の奏法譜の一種である「文化譜」を対象にした情報処理を試みた.
- 1995-03-15
著者
関連論文
- 三味線奏法譜の情報処理における口三味線の利用
- 伝統的尺八楽譜の情報処理システムに関する研究(音楽情報処理)
- 尺八譜の情報処理システム「尺八くん2002」 : システム評価と新機能(セッション4 : 音楽ツール)
- 尺八くん2001 : 尺八譜情報の処理システム
- 尺八譜の作成・出版支援システム
- 複数流派への拡張が容易な尺八譜情報処理システム
- COMSO : 尺八譜のための標準データ形式
- デモンストレーション:音楽研究のための試み
- 日本音楽の情報処理 : 尺八の場合
- 尺八譜の作成・出版支援システム
- 計算機と音楽 (計算機と音楽)
- 歌詞音列間距離を用いた民謡の旋律比較ツールの作成
- 音楽学研究のための楽器データベース (人文科学とコンピュータ)
- シンポジウム1 音楽研究のためのコンピュ-タ技術--現状と展望〔含 質疑応答〕 (日本音楽学会第48回全国大会総覧)
- 音楽情報科学研究会「夏のシンポジウム'97参加報告
- Web上での楽器データベースの構築 : 小泉文夫記念資料室所蔵楽器目録のデータベース化
- マルチメディアを用いた楽器データベース : 小泉記念資料室所蔵楽器目録を基にしたプロトタイプシステム
- 音楽情報処理の研究目標
- 音楽情報の記述における記述的記譜への対処
- 伝統的尺八楽譜のための情報処理システムの構築とネットワークによるサービス提供に関する検討
- 色聴共感覚に基づく画像の音楽化の試み