時空間構造を導入したオブジェクト指向モデル

概要

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筆者らは,RWCPプロジェクトの一環として,実世界シミュレーション,及びシミュレーションプログラムの記述性の向上を目的とし時空間構造を導入した超並列オブジェクト指向モデルの研究を進めている.実世界シミュレーションでは,超並列マシンがもたらす膨大な計算パワーを用い,対象を単純なモデルになおすことなく,個々の要素の動作を詳細にシミュレーションすることから系全体の性質を把握することを目指している.すでに文献1)において,不特定なオブジェクト間の通信の媒介,および楽観的分散時刻管理を支援する場の概念を導入したモデルの提案をおこなった.本稿では,実世界シミュレーションで対象とする問題のモデル化に必要な時空間構造の内,オブジェクト間の同時相互参照に着目し,デッドロックをふせぎ,かつシミュレーション時刻に関する因果関係を満たしたオブジェクト間の同時相互参照を安全かつ簡潔に記述するためのオブジェクトモデルの提案をおこなう.また,このモデルを実現しCM5,Paragonなど高並列計算機をターゲットとするプロトタイプ処理系の実装について報告する
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-03-07