ハードウェア向きの高速影生成アルゴリズム
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概要
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近年,CADのプリ・ビューやアニメーションやプレゼンテーション・グラフィックスなどで三次元物体の高速な描画の必要性が高まってきている。そこで,最近の多くのエンジニアリング・ワークステーションは三次元のグラフィックス表示の高速性を競い,特徴としている。これらの三次元高速描画機能はハードウェア化され,高速な物では何段ものパイプライン処理やパラレル処理を実行している。しかし,この高速ハードウェアはスムーズ・シェーディングと陰面消去ぐらいしかサポートしておらず,それ以上の機能を求めた途端に描画の高速性が激減する。そこで,現在あまりハードウェアでサポートされていない描画機能について,どういう手法で実現すればよいか考察を行った。その中の影の生成法について本稿で論じる。具体的な手法について述べる前に,どのレベルの品位のグラッフィクスを狙っているのか,また,どのような方向でのハードウェア化を考えているのかを明らかにしておく。インターラクティブないしはリアルタイムの表示性能を持つグラフィックス・システム(ただし,規模はワークステーション程度)を念頭においている。品位としてはポリゴン・ベースのグラフィックス,つまり,現状のエンジニアリング・ワークステションの高速描画に用いられているものを仮定している。そして,影を付けたり,任意領域だけ切り出すといったことも高速に実行できるというように高速描画の高機能化の方向を目指す。ハードウェア化に関してはラスタ化時のピクセル毎の処理の並列性を利用し,パイプラインまたはパラレル処理を行うものを念頭においている。典型的にはISCC88で発表された松下電気のグラフィックス・チップやIBMで研究開発中のSAGEといった1ライン分のピクセル・プロセッサを持ったチップでハードウェア化するのが望ましいと考えている。これらのチップのピクセル・プロセッサになるべく少ないハードウェアの追加を行うことにより他の機能もサポートすることができるようにもっていきたいと考えている。従来のアルゴリズムではあまりこの目的に適していないので,新しい手法を摸索した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
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