Elastic Barrier : 一般化されたバリア型同期機構 (<特集>並列処理)
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概要
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多くの共有メモリ型の密結合マルチプロセッサシステムが開発・実用化されている.しかし,密結合の利点を活かして複数のプロセッサを"密に"協調させて処理を行わせるには様々な問題点が残っている.その一つにプロセッサ間の同期の問題がある.共有メモリを介してプロセッサ間のデータの交換をする場合,特殊なアルゴリズムでない限り,生産者-消費者等のデータ依存や制御依存による順序関係を保存したり,共有資源の排他制御を行うために同期が必要と.さらに,プロセッサ間の協調の度合いが強ければ強いほど同期が必要とされる頻度は多くなる.そこで,協調の度合いの強い,つまり粒度の細かい,並列処理を効率よく実行するためには,同期のためのオーバヘッドを十分に小さく抑える必要がある.この目的のために,細粒度タスクの静的スヶリューリングと組み合わせて用いられる極めて軽い同期機構 Elastic Barrier (一般化されたバリア型同期機構)を考案した.本論文ではこの機構の構成と動作を説明し,さらに,機構の特徴を明らかにするために,広がりのあるバリア(Fuzzy Barrier)としての使用法,機構の能力拡張法,バリア同期を基本とするためのオーバヘッド削減能力の限界,同期機構とシステムのプリエンプション機構との整合性,他の同期機構との比較といった点について論じる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-07-15
著者
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