細粒度並列実行支援マルチプロセッサの検討
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概要
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マルチプロセッサ・システムにおいてプロセッサを密に協調させて並列処理を行おうとすると,プロセッサ間のデータの通信の問題やそれに伴う通信競合の問題そして同期の問題が深刻になる.より大きな並列度を得ようとして各プロセッサに割り振るタスクの粒度を細かくするときには,これらの問題によるオーバヘッドが十分に小さくなくては効率を上げることはできない.本論文ではまず,マルチプロセッサ上での効率の良い細粒度並列実行を可能にする必要条件として,ハードウェア資源の管理方針や仮想化のレベルの検討を行う.そして,その管理方針の下で実現される二つの細粒度の実行支援機構を提示する.一つはオーバヘッドが無視できる軽い同期機構であり,バりア型の同期機構を一般化することで構成されている.もう一つは共有バス構造を持つシステムにおいて,動的にスヌープ・キャッシュのキャッシュ・プロトコールを切り換えることで通信競合を緩和するキャッシュ制御機構である.最後に,これらの方針と機構を採用した細粒度並列実行支援マルチプロセッサを提案し,その特徴と効率を検討する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-12-15
著者
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