分散オブジェクトプラットフォームの開発(2) : プログラミングモデル
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概要
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ネットワークの普及に伴い,アプリケーションプログラム(AP)の分散環境への対応が求められている.APを分散環境中で動作させる典型的な方法としては次の3つがある.1.既存のプログラミング言語からOSのシステムコールやライブラリを呼び出す方法.2.既存のプログラミング言語とRPC用スタブジェネレータを組み合わせて用いる方法.3.分散プログラミングを可能とするように設計された新たな言語を用いる方法.第1,第2の方法は,多くの開発環境で利用可能であり,広く使われている.しかし第1の方法には,その低水準なインタフェースによって,プログラムの生産性や可読性が低くなるという問題がある.第2の方法は,より高水準なプログラミングを可能としているが,通信相手の決定方法や交信形式が強く固定されており,あらかじめ想定されている形態と異なる通信の実現は必ずしも容易ではない.一方,第3の方法は,プログラムの移植性,有用なライブラリ資産の利用可能性などの問題が解決される限りにおいては,理想的な解決を提供し得るが,新しい言語という点に問題がある.そこで,我々はC++言語の特性である「クラス」という型に注目し,第1/第2の方法によって,第3の方法を近似的に実現する分散オブジェクトプラットフォーム(以下分散プラットフォームと呼ぶ)の提案を行なっている.本稿では現在開発中の分散プラットフォームに関して,APのプログラミングについて述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-03-06
著者
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