Pseudomonas fluorescens var.cellulosaのセルラーゼの研究
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概要
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土壌中よりセルロース分解性細菌約50株を分離し, そのセルロース分解力をSporocytophagaに属する菌10株, および上田らにより分離されたPseudomonas fluorescens var.cellulosaのそれと比較した結果P.fluorescensが最も強力であった.P.fluorescensの生産するセルラーゼの成分のうち3つを部分的に精製し, それらの基質特異性および作用機作を研究した.すなわち, 本菌の培養濾液の硫安分別沈澱物をでんぷん支持体電気泳動法で分別し, セルラーゼ2成分, およびβ-グルコシダーゼをそれぞれ分離した.これらの処理によってセルラーゼの比活性は約10倍に上昇し, β-グルコシダーゼ活性は認められなくなった.菌体からは超音波処理によりセルラーゼの1成分を抽出した.これらのセルラーゼ成分はすべてCM-セルロースをeudo-wiseに分解する.菌体外の2成分は重合度4以上のセロオリゴ糖, セロデキストリン, ヒドロセルロースおよび粉末セルロースを分解し, グルコース, セロビオース, セロトリオース, および構造不明のセロオリゴ糖以外のグルコオリゴ糖2種以上を1 : 10 : 10 : 2 : 3の割合で生成する.セロビオース, 各種のβ-グルコシド, セロトリオース, メチルβ-セロビオシドは分解されない.^<14>C-グルコースを受容体として精製セルラーゼによるセルロース分解反応系に加え, 生成するオリゴ糖の放射能の取り込みを観察した結果, セルロース分解生成糖中のセロオリゴ糖の一部, およびセロオリゴ糖以外のオリゴ糖はセルラーゼのもつ糖転移作用の結果生成されたことが判った.菌体外セルラーゼによるヒドロセルロース分解作用は, 生成還元糖量(グルコースμg)をP, 反応時間(分)をt, 酵素の相対的濃度をEとすると.P=11.7t^<0.5>E^<0.4>という関係式で表はすことができた.
- 1969-09-25
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