マツのシンクイムシ被害のクローン間差について
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概要
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マツのシンクイムシの被害程度を, 九州林木育種場に植えてあるクロマツ精英樹クローン19と, アカマツのクローン9とでしらべた。加害虫は, 大部分マツヅアカシンムシでマツノシンマダラメイガとマツツマアカシンムシを多少まじえているようであったが, この調査ではこれら各種の区別をつけなかった。被害をあらわす数値として, 各個体ごとの被害枝数そのままと, これを全枝数で割ったパーセントをBlissの角度変換にかけた値との両方を用いたが, クローン間差は, 生の枝数を用いての分析では有意とならず, Bliss変換値では有意もしくはきわめて有意となった。繰返し間および年次間の差はどの場合でも有意もしくはきわめて有意であった。遺伝力は, アカマッで0.15,クロマツで0.11と算出された。抵抗性クローンの選抜や, 感受性クローンを除き去ることによる採種園のタネの素質の向上など, いずれも可能である。
- 日本森林学会の論文
- 1966-05-25
著者
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