ヒノキ・アカマツ混交林に関する研究(III) : 混交林の材積について
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概要
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ヒノキ・アカマツ混交林の材積とヒノキ純林あるいはアカマツ純林の材積との比較検討を行った。(1)混交林のヒノキと純林のヒノキとを比較すると, 樹高は両者でほとんど差がなかったが, 直径と平均個体材積では純林のほうが大きかった。最多密度線にある混交林のヒノキの平均個体材積は, 同一密度にある純林のヒノキのおよそ70%であった。(2)混交林において, 混交率と材積との間には, 林齢階別につぎの関係がみられた。アカマツ : 1/V_p=A/m_p+B, ヒノキ : 1/V_c=a/m_c-b。ここで, V_p, V_cはアカマツ, ヒノキの材積(m^3/ha), m_p, m_cはそれぞれの混交率(%)である。(3)混交林の全材積は, ヒノキ純林やアカマツ純林よりも大きい。たとえば, 60年生のヒノキ純林で約400m^3/ha, アカマツ純林で約420m^3/haであったのに対して, 混交林ではヒノキ混交率が約65%のとき最大になり, そのときの材積は約550m^3/haとなった。これらの結果をもとにモデル混交林の材積の経年変化を図示した。
- 1986-08-25
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