温帯落葉広葉樹林内の2タイプの土壌における炭素収支(I) : 落葉落枝量

概要

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温帯落葉広葉樹林内の同一の斜面の上部, 下部におのおのみられた乾性褐色森林土および適潤性褐色森林土について, それらの土壌系での炭素収支を調べるため収入源の一つである落葉落枝量を測定した。測定は1978〜1981年の4年間, 小型と大型の2種のリタートラッブを使って行われた。年間の落葉, 落枝, その他リター量およびその合計量(乾物t・ha^<-1>・yr^<-1>は年によって変化するが, 測定期間の平均値はおのおの上部で2.58(63.7%), 1.13(27.9%), 0.34(8.4%), 4.05(100%), 下部で3.06(63.0%), 1.02(21.0%), 0.78(16.0%), 4.86(100%)となった。落葉量の年変動は, 落枝, その他リターにくらべて変動幅は小さく比較的安定していた。各組成の年変動は, 果実の豊作年におけるその他リターを除き, 両プロット間でほぼ同じように変動していた。また, それらの季節変化, 組成割合に大きな違いはなかった。全落葉落枝量および落葉量は上部では下部より常に少なく約80%であった。この違いは, 地形に対応した土壌の性質, 樹種の違い, およびそれに起因する林分生産速度の違いによるものと考えられた。
1986-01-25