流域蒸発散量の推定方法(III)

概要

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林業試験場東北支場山形試験地釜淵1号沢の1939年から1957年までの気象流量資料で蒸発散と土壌水分の関係についての検討を行なった。その結果, 蒸発散が気象要素のみに影響を受けると仮定した場合の流出量の標準誤差σ_Eが7.88%であった。一方, 蒸発散は気象要素と土壌水分に影響を受けると仮定した場合の流出量の標準誤差が4.14%であって, このときの河道降水率(α), 臨界点定数(c_o, β), 有効水分(M_f)はα=0.0%, c_o=0.0,β=0.13,M_f=170mmであった。1977年, 1号沢のA, B層から10個所ずつ土壌を採取し土壌の物理性について測定を行なったが, 透水性は場所によってかなり差が認められた。有効水分は約180mmとなったが, 土壌中の石礫等を考慮すると前述の計算値と大差ないと思われる。月別蒸発散比は5,6〜9,10〜11月に3区分でき, 林木の生長期は0.92〜0.94とほぼ一定であった。
一般社団法人日本森林学会の論文
1980-08-25