スギ苗のブミノ酸代謝におけるシトルリンの役割とオルニチンサイクル
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概要
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無菌状態で育てたスギ芽ばえにシトルリンの前駆物質として, オルニチン-^<14>C(U)とアルギニン-^<14>C(U)を与えた後のシトルリンの合成, 転流, 集積等について調べた。オルニチンからシトルリンへの転換は非常に多かったが, アルギニンからのそれは少なかった。根部に標識化合物を与えた場合, 地上部の各アミノ酸への^<14>Cの分配は根部とは明らかに異なるとともに, また地上部に直接標識化合物が与えられた場合とも異なり, シトルリンの放射能の割合が高かった。地上部ではまたシトルリンの顕著な集積がみられた。これらのことは根から地上部へ送られるアミノ酸は主としてシトルリンであり, 地上部でそれが集積されやすいとした前報の結果を裏付けた。オルニチンおよびアルギニンから各アミノ酸への^<14>Cの分配だけからみると, オルニチンはオルニチンサイクルによってすみやかにシトルリン, アルギニンに代謝されるが, アルギニンからオルニチンへの転換は前者とくらべてやや不活発であるように思われる。
- 1976-09-25
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