クロマツ種子の発芽時のATP量におよぼす光の影響
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概要
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クロマツ種子の発芽過程におけるATP量の変化とそれにおよぼす光の影響を調べた。ATP量は種子の吸水や呼吸量の変化と同様に, 吸水開始直後の急速な増加後平衡状態が幼根の出現時まで続き, その後再び著しく増加した。一方暗黒下で吸水させた種子や低温湿層処理期間中の種子では吸水直後のATPの増加はみられたが, その後は一定状態に保たれた。しかし暗黒下吸水種子に光を照射するとすみやかにATPの増加が生じた。この増加は遠赤色光の照射では起こらなかった。ATP濃度は蛋白質合成や器官分化等が起こる直前に増加する傾向も認められた。ATP生成系は乾燥種子中に健全に保存され, 吸水とともに直ちにATP合成が開始される。ところが暗黒下吸水種子では, いったん活性化されたATP合成系も光の照射がなければ, その働きは抑えられているようである。
- 日本森林学会の論文
- 1979-11-25
著者
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