針葉樹種子の生長抑制物質 : コウヤマキ種子に含まれるSciadin
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概要
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硝酸銀による針葉樹種子の発芽促進効果に関連して, アカマツおよびコウヤマキ種子の生長抑制物質をペーパークロマトグラフィーおよびアベナ子葉鞘伸長生長およびマツ種子発芽による生物検定によって調べた。合成アブシジン酸(d, l・cis-& trans-)は15ppm以上でアカマツ種子発芽に抑制効果があるが, 4週後までその効果は持続しなかった。また両種子よりアブシジン酸は検出されなかった。両種子の抑制物質はペーパークロマトグラム上で同じような様相を呈するので, コウヤマキ種子の抑制物質をカラムクロマトグラフィーを用いて分離し, sciadin(C_<20>H_<24>O_4)を種子重量0.1%以上得た。この不水溶性ジテルペンは15ppm以上の稀エタノール溶液でマツ種子に抑制効果を与え, その効果は4週後まで持続した。硝酸銀と発芽促進効果をこのテルペンと銀イオンとのコンプレックス形成についての仮定に基づいて論議した。
- 日本森林学会の論文
- 1974-08-25
著者
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