トドマツ苗木の産地特性について(VI) : 林分のちがいによる各種形質の遺伝的変異
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概要
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すでに北海道に自生するトドマツの産地ごとの種子からの苗木を使って, 苗高, 2次生長, 芽鱗, 生育期間などの各形質の変異を調べ, 本道の西側産トドマツと東側産トドマツの間に大きなちがいがあることを指摘し, それぞれの産地の特性と遺伝的変異を明らかにした。今回は同一産地と考えられる地方で天然林が離れている場合, 形質に遺伝的な差があるか否かを調べることを目的として, 十勝清水(4林分), 弟子屈(3林分), 檜山(3林分), からそれぞれ母樹別に種子採取を行いそれらの苗木を使って苗高, 当年伸長部の主軸芽数, 側芽数, 枝数を調べ, 平均値, 分散値, 各種形質相互の相関係数を求めてその相違を検討した。その結果, 1)十勝清水では距離が2km離れた林分間で平均苗高, 平均主軸芽数でかなりの差が示され, 距離が15km離れるとその差は一層顕著になった。2)弟子屈では距離が25km離れた林分間に平均苗高, 平均枝数で明白な差が示された。3)林分間の距離が1km以内である檜山では各形質においてはっきりした差は示されなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1973-10-25
著者
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