トドマツ苗木の産地特性について(III) : 苗高と二次生長発生率の産地間, 母樹間変動
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概要
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前回の報告で道内7産地(檜山・新得・清里・日高・札幌・根室・利尻)のトドマツまき付け当年の子葉数, 苗長, 葉数, 根長, 乾燥重を測定して, 産地間, 母樹間の相異を検討し, 道西半部のトドマツが東半部のトドマツに比べて生長が良好で, とくに檜山産が他の産地のそれと顕著な相違のあること, また同じ産地でも母樹のちがいによって生長, その他の形質の異なることを報告した。1966年9月第1回の床替時に上記苗木から無作為に抽出して, 産地間, 母樹間の変動を分割区法により解析できるよう設定した。1967年秋苗高と2次生長の調査を行ない, 分散分析により産地ならびに母樹相互間の変動を詳細に調べた。その結果, 母樹別播種の4産地(檜山・新得・清里・日高)について苗高, 2次生長発生率とも産地間, 母樹間に有意差が認められた。苗高は産地間の変動がきわめて高く, 母樹間のそれの3倍以上であった。2次生長発生率は産地間より母樹間の変動が高く現われた。母樹別に播種しない, 札幌・根室・利尻の3産地を加えた7産地の産地間変動を知るための分散分析を行ない, さらに平方和を分割して地域間, 産地相互間の有意差を検討した結果, 苗高, 2次生長発生率とも道西半部と東半部の地域間に有意差が認められ, 苗高では同一地域内の産地相互間で, 2次生長発生率では檜山産と根室産が同一地域内の他の産地と顕著な有意差が認められた。
- 日本森林学会の論文
- 1969-01-25
著者
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