カラマツさし木試験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1966年7月温室で自動潅水装置により, カラマツのさし木試験を行なった。材料は当場樹木園植栽の10年生母樹を10本選び, 母樹別の発根率に差があるかどうか検討した。また, さし床の土壌種類別も, 褐色土, 鹿沼土, 川砂, 黒土の4種類を用い, あわせて検討した。さし木実施70日後, 同年9月下旬さし穂を掘り取り, 生存率, 発根率, カルス形成率, 発根の状態を測定観察した。発根率は平均して8.7%であったが, 母樹別の最高は21.9%, 最低は0.6%で, 母樹間にかなりの差のあることがわかり, この変異は母樹のもつ遺伝的性質によるものであると推察された。さし床種類別では, 川砂区が17.3%で最高であった。母樹別, 土壌別の最高のブロックは67.5%(3-24号木, 川砂区)であった。また, 発根部位およびカルスの形成状態の観察の結果, カルスの形成されたものに発根した割合は, 発根に至らなかったものにくらべて高い値となり, さし穂の発根部位は短枝基部, 切口, 切口と短枝基部, 当年生枝と1年生枝の境附近に類別され, カルスの形成との間には密接な関係があった。発根と穂の長さについては, さし穂長が10〜30cmの範囲で, いくぶんさし穂長の短いものが良い傾向が見られたが, はっきりした関係はつかめなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1967-08-25
著者
関連論文
- 142. アカマツ落葉分解の主体を為す数種糸状菌のセルローズ分解能について(第63回日本林学会大会講演要旨)
- スギカミキリに対するスギの抵抗性検定方法(I) : 傷害樹脂道の形成パターンによる判別法
- クモトオシとサンブスギにおけるスギカミキリの被害様相の違い
- 大山・蒜山地区のブナ林の結実と種子の稔性について
- アカエゾマツの産地間変異(I) : 苗高と開葉時期の産地間差異
- トドマツ苗木の産地特性について(VI) : 林分のちがいによる各種形質の遺伝的変異
- 20産地からのニホンカラマツの冬の耐凍性の差
- トドマツ苗木の産地特性について(V) : トドマツ苗木の産地による生育期間の差
- トドマツ苗木の産地特性について(IV) : トドマツ冬芽の芽鱗の層数
- トドマツ苗木の産地特性について(III) : 苗高と二次生長発生率の産地間, 母樹間変動
- カラマツさし木試験
- トドマツ苗木の産地特性についての調査(II) : トドマツまき付け苗(当年生)における産地間の生長の相違について
- トドマツ苗木の産地特性についての調査(I) : トドマツの子葉数の変異と産地間母樹間の相違について
- 降水中にふくまれる放射能物質による苗畑苗木の汚染について
- 118. クロマツのツギ木の水分生理について(第67回日本林学大会プログラム)
- 熱ニユートロンとX線照射によるリンゴの挿穗に及ぼす型態的効果の比較について
- Mung bean rootsによる菫外線とCa及びそれらの相互作用の塩吸收に及ぼす影響について
- クロローシスの制限因子である鉄について(第1報) : 養分及び植物の種類による鉄の吸収性と利用性について
- 野外と温室でのslash pineの接木について
- 山陰海岸(長尾鼻,陸上岬)に自生するナラ類の変異(I) : ミズナラ,コナラ,カシワの葉毛を基礎とした葉形の地域差(育種)
- 兵庫県北部においてブナ生立木を加害するカミキリムシについて(保護)
- クヌギ,アベマキの葉の形態の変異について(育種)
- 山陰海岸(長尾鼻,陸上岬)に自生するナラ類の変異(II) : ミズナラ,コナラ,カシワの雑種性について(育種)
- 智頭地方のスギ造林地における凍裂の発生状況
- 中国山地(岡山県三平山)のナラ類の雑種性について(II) : デジタイザーによる葉の形質調査(育種)
- 中国山地(岡山県三平山)のナラ類の雑種性について(I) : 走査式電子顕微鏡(SEM)による葉毛型の分類(育種)
- トドマツの地域性 : トドマツの垂直的分布変異(会員研究発表講演)
- 30.アカエゾマツ精英樹系統苗木の生長(会員研究発表講演)
- 29.トドマツ産地別苗木の生育期間(会員研究発表講演)
- 26.コバノヤマハンノキ,ヤチハンノキ,及びその交配家系苗木の特性(会員研究発表講演)
- トドマツ精英樹系統苗木の生長(会員研究発表講演)