マツノザイセンチュウ感染によるクロマツ木部放射柔細胞の変化と周辺仮道管への影響
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概要
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5年生クロマツにマツノザイセンチュウ1万頭を接種し, 接種後1週間ごとに接種点から下向きに15 cmの部分を供試した。供試した主軸をホルマリン固定したものからミクロトームを用いて切片を作成し, 脂質染色性の染色剤であるスダン黒, スダンIV, ナイル青を用いて染色した後, 光学顕微鏡で観察を行った。その結果, マツノザイセンチュウを接種したクロマツの木部放射柔細胞において, (1)油滴の呈色に変化が現れること, (2)接種点付近では呈色が細胞全体に拡がること, また(3)細胞内容物が細胞外に漏出し, 仮道管の有縁壁孔膜にその漏出物質が付着していることが確認された。これにより, マツノザイセンチュウに感染したクロマツの木部においては, 木部放射柔細胞で細胞内の液胞が崩壊することにより, 油滴状脂質が細胞質全体に拡がり, その後細胞内容物が細胞外へ漏出し, その漏出物質が仮道管有縁壁孔の壁孔膜に付着し, その結果木部の水分通導機能を低下させている可能性が示唆された。
- 日本森林学会の論文
- 2001-11-16
著者
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