マツ材線虫病発病機構解明への組織学的アプローチ(<特集>マツ枯れ)
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概要
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マツ材線虫病に感染した宿主樹木は,さまざまな組織学的変化を示す。病原線虫感染後まもなく,侵入した線虫の移動経路となる樹脂道においてエピセリウム細胞の破壊がみられる。また木部放射柔細胞においては,細胞内容物にさまざまな異常がみられ,病徴が進展すると内容物が細胞外に漏出し,周辺仮道管および有縁壁孔に沈着する。皮層樹脂道周囲ではリグニン化およびスベリン化がみられる。抵抗性樹種と感受性樹種における病徴を比較すると,前者においては感染後木部柔細胞の組織化学的変化があまり認められないこと,および変化が線虫侵入部位に限定されることが特徴である。また,弱病原性マツノザイセンチュウやニセマツノザイセンチュウを接種した場合も,線虫分布や病変が接種点付近に限られる。本病の発病機構については不明な部分が依然数多く残されており,より詳細な研究が必要である。
- 日本森林学会の論文
- 2006-10-01
著者
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