クロマツ材内におけるマツノザイセンチュウBursaphelenchus xylophilusのリアルタイムPCRによる定量
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概要
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深刻な森林伝染病であるマツ材線虫病の病原体マツノザイセンチュウ(PWN: Bursaphelenchus xylophilus)のリアルタイムPCRによる簡便な診断法を開発した。PWN-DNAのITS領域またはβ-tubulin(tbb)遺伝子をコードするプライマーを用い、マツ材試料100mgに添加したPWN数(1、10、50、100、200、400頭)の定量試験を行った。その結果、ベルマン法による線虫抽出を省略しても、PWN 1頭から検出可能であった。罹病宿主診断への応用可能性を検証するために、本病感受性のクロマツ苗にPWNを接種し、本手法ならびに従来の線虫検出法であるベルマン法を用いてPWN分散・増殖様式の追跡調査を行った。宿主内でのPWN動態は、本手法とベルマン法とで算出頭数のスケールは異なっていたものの類似した傾向が示され、本手法の有用性が強く示唆された。
- 日本線虫学会の論文
- 2009-06-00
著者
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