合衆国における国有林改革 : その現状, 要因, 展望
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は生態系保全を目指した合衆国国有林改革の現状とその要因, 今後の展望を明らかにすることを目的とする。合衆国国有林は1990年代に入ってエコシステムマネジメントを基礎とした経営へと大きく方針転換し, その実行のために組織改革や計画規則の改正に着手しているほか, 大規模なエコシステムマネジメントの実験を始めている。こうした改革の要因として環境保護運動の高揚と司法による国有林への厳しい判断が第1に指摘できるが, 一方で1970年代から森林局において進められた雇用者の多様化が改革の大きな原動力となったことにも注目する必要がある。森林管理をめぐる世論の両極化や政治的介入, 財政をはじめとする古い制度的枠組みが障害として立ちあらわれているが, 森林局職員の多くは改革を支えようとしている。組織内の多様性保持が森林に対する多様な社会的要求を国有林管理に反映し, 転換期において自己改革をすすめる上で重要な役割を果たしたことを銘記する必要がある。
- 1997-05-16
著者
関連論文
- イングランド国立公園の管理・計画システム : ピークディストリクト国立公園を事例として
- 新森林法典下のロシアの森林政策・管理・林産業の動向
- 森林ガバナンス研究の展望 (林業経済研究の課題と方法)
- 巨大河川の水と恵み―北方河川・アムール川流域の人間活動が与えた影響を考える―
- どうする国有林, 笠原義人・香田徹也・塩谷弘康著, リベルタ出版, 2008年5月, 224ページ, 1,680円(税込), ISBN978-4-903724-10-2
- 森林施業規則の国際比較研究--欧州諸国を中心として
- 森づくり活動誌上視察 さーくる森人類--人のつながりをつむきだす森づくり活動
- 合衆国における国有林改革 : その現状, 要因, 展望
- 合州国連邦有地政策の展開と90年代の動向 : 国有林を中心として(統一テーマ:森林国有の現段階的意義と課題,1997年春季大会論文)
- 地域材による住宅建築をめぐる協働関係の形成に関する考察 : 十勝地方のカラマツの家づくりを対象として
- 森林・林業 低炭素社会をめざす森林・林業のあり方 (特集 しのびよる地球温暖化問題--農林業への影響) -- (低炭素社会をめざす農林業のあり方)
- 林業労働力育成確保優良事例コンクール受賞事業体レポート(8)北海道・高坂林業株式会社 雇用の安定化と若手労働者の育成を目指して
- ロシア極東における参加型森林管理に関わる地域住民の意識
- 第一報告 地域における森林政策の主体をどう考えるか--市町村レベルを中心にして (2004年林業経済学会春季大会シンポジウム 地方自治体による新たな林政と森林管理)
- 混迷するロシア森林政策
- フィンランドの森林管理--小規模所有者・不在村所有者を支援するしくみ (特集 里山再評価の論点)
- 地域における森林政策の主体をどう考えるか : 市町村レベルを中心にして(統一テーマ:地方自治体による新たな林政と森林管理,2004年春季大会論文)
- 流域保全のなかでの森林管理--アメリカ合衆国のとりくみから (特集 新たな森林・林業) -- (第1部 流域に甦る森林・林業)
- 吸収源としてのロシア森林の評価とロシアの京都議定書への対応 (特集 海外林業の最新動向)
- ロシアにおける林政の展開とその政治的背景 : 連邦・地方政府間関係を中心として
- ロシアの違法伐採の現状と課題
- 地域の協働で支える森林保全
- 「担い手」は誰なのか? (特集 平成13年度森林・林業白書) -- (森林・林業白書を読んで)
- 転換期における林業諸資本の展開と労働力編成:北海道林業を中心として
- ロシア・ハバロフスク地方における森林伐採の展開過程
- 森林・山村の荒廃と山業の可能性 (特集 〈山業〉の可能性--山資源を地域経済に活かす)
- 地域環境政策形成のために求められるもの : 地域環境ガバナンスの視点から (地域環境政策とコミュニケーション)
- ニュージーランドにおける資源管理制度の現状と課題 : 新自由主義改革と資源管理
- どうすれば流域管理が進むのか?--アメリカ合衆国ワシントン州の経験から (特集 流域管理の多様性と課題)
- ロシア極東における違法伐採の現状
- ロシア--再び揺れ動く林政
- 新・外材事情(ロシア・下)増大する木材輸出
- ロシア・ハバロフスク地方における森林伐採の展開過程
- 旧ソ連極東における森林管理と林産業の動向
- 旧ソ連極東における森林管理と林産業の動向
- 総合化と協働の時代における環境政策と社会科学 : 環境社会学は組織者になれるか(環境政策と環境社会学)
- 新・外材事情 ロシア(上)劣化する森林資源
- 「政策の限界」をこえて--森林・林業・木材産業基本政策検討会報告を読んで
- アメリカ合衆国における流域管理(2)ワシントン州における流域管理を中心に
- 村嶌由直編「アメリカ林業と環境問題」
- アメリカ合衆国における流域管理(1)ワシントン州における流域管理を中心に
- ワシントン州における森林施業規制の形成 : サケ科魚類生息域保全をめざして
- 合衆国連邦有地政策の展開と90年代の動向--国有林を中心として (特集 1997年度林業経済学会春季大会報告--森林国有の現代的意義と課題)
- ロシア極東の森林資源と林業・林産業の動向--深化する危機 (林業経済研究所創立50周年記念特集 テ-マ:21世紀におけるわが国の森林・林業の意義とあり方)
- 「森林文化論」とキリスト教, 小林裕著, 「森林文化論」とキリスト教, キリスト教図書出版社, 1997年, 262ページ, 2,000円
- 90年代におけるアメリカ合州国国有林の市民参加--エコシステムマネジメントのもとで
- 森林法100年に当たって--これからの森林づくりの展望
- アメリカ合州国北西部国有林におけるエコシステムマネジメントの現状と課題(1996年秋季大会自由論題論文)
- 社会と森林の新しい関係を求めて : 第6回社会と資源管理に関する国際シンポジウム(The Sixth International Symposium on Society and Natural Resources)
- 日ロ木材貿易と北洋材製材業の現状と課題
- 戦後林政の限界と新たな森林政策への視点 (林業経済学会1995年度春季大会討論要旨--現代林政の課題と方向を考える)
- 合意形成と環境保全に関する国際シンポジウム報告 : 環境保全計画への市民参加をめざして
- 戦後林政の限界と新たな森林政策への視点(現代林政の課題と方向を考える-基本法林政30年を振り返りつつ,1995年春季大会論文)
- 水産資源保全のための流域森林整備に関する研究
- 森林をめぐる社会科学のセンタ-をめざして--議論の活性化の必要性 (林業経済学の未来を求めて-1-)
- 連邦崩壊後のロシアにおける森林政策と林産業の動向 (日本林業の国際環境--環境・資源・市場-3-)
- 森林科学の体系 : 森林科学の範囲と目的と方法
- コメント1.転換期の林業労働問題研究(1991年春季大会)
- 森林管理をめぐる合意形成の意義と方法(森林の管理手法)
- 〔3〕ソ連極東における森林管理の現状と課題 : サハリン州を中心として(II 1990年度秋季大会自由論題論文)
- 21世紀における持続可能性の新たな展開と森林資源問題 : 資源転換とplantation林業の行方(林業経済学会2009年春季大会シンポジウム報告)
- 90年代におけるアメリカ合州国国有林の市民参加 : エコシステムマネジメントのもとで
- 森林管理をめぐる市民参加と合意形成(森林計画学賞受賞論文要旨,1994年度森林計画学会賞)
- 森林管理をめぐる市民参加と合意形成 : 日本とアメリカの現状から(合意形成-森林計画はいかにして地域社会に認知されるか-)
- 第二報告 合衆国連邦有地政策の展開と九〇年代の動向 : 国有林を中心として(森林国有の現代的意義と課題,1997年度林業経済学会春季大会報告)
- 討論(林業経済学会第22回研究会Box)
- 問題はガバナンスなのかガバメントなのか?(林業経済学会第22回研究会Box)
- 森林計画制度の歴史・現状・課題(林業経済研究所座談会)
- 森林施業規制の国際比較研究 : 欧州諸国を中心として
- 市町村森林行政の現状と課題 : 北海道の市町村に対するアンケート調査結果による
- 第1報告 地域における森林政策の主体をどう考えるか : 市町村レベルを中心にして(地方自治体による新たな林政と森林管理,2004年林業経済学会春季シンポジウム)
- 森林ガバナンス研究の展望(林業経済研究の課題と方法)
- ロシア極東の森林資源と林業・林産業の動向 : 深化する危機(世界の森林・林業の展望と我が国の戦略-ロシア-,21世紀におけるわが国の森林・林業の意義とあり方,林業経済研究所創立50周年記念特集)
- 報告2 治山行財政構造に関する考察(1987年度北日本林業経済研究会報告)
- 報告2 北海道林業の構造変化と素材生産業の動向(1990年度北日本林業経済研究会報告)
- 黒木三郎・山口孝・橋本玲子・笠原義人編, 『新国有林論-森林環境問題を問う-』, 大月書店, 一九九三年三月一八日, 三一一頁, 税込三、二〇〇円