3パラメータの対数正規分布モデルを用いた森林土壌の水分特性曲線の解析

概要

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森林土壌、構造の未発達な野外土壌、撹乱したローム質土壌・砂質土壌の計100サンプルについて測定された水分特性曲線を、数式的モデルを用いて解析した。このモデルは、3パラメータの対数正規分布を、土壌間隙径の分布関数g(γ)ならびに間隙の毛管圧の分布関数f(ψ)(水分容量関数に対応)に適用することによって導かれている。モデル中のパラメータは、水分特性曲線上で視覚的に明確な意味を持ち、さらにf(ψ)の統計量と密接に関係している。特定されたパラメータを用いて各種土壌の水分特性曲線の比較を行った。またf(ψ)の標準偏差およびメジアン(中央値)の算定を行った。その結果、このモデルが100種類すべての土壌の水分特性曲線に対し良好な適合を示すこと、典型的な森林土壌の水分特性曲線では、圧力水頭が-30cmよりも大きい領域で体積含水率が大きく変化すること、森林土壌ではf(ψ)の分布の幅が砂質土壌より大きく、メジアンがローム質土壌より大きくなること、未発達土壌のf(ψ)は森林土壌のf(ψ)より小さなメジアンを持つことが明らかとなった。
1994-09-01