急傾斜な風化花崗岩森林斜面の流出2次ピーク発生についての数値シミュレーション

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地形と物性分布が調べられている急傾斜な風化花崗岩森林試験斜面で,流出2次ピーク発生の数値シミュレーションをした.流出2次ピークは,斜面に浸透した雨水の流出遅れからなる.流出遅れの原因は2つあり,一つは,雨水が斜面の中に浸透し飽和帯を形成するのに時間がかかること,もう一つは,斜面中に不連続な飽和帯ができるとき,それが斜面方向に連続するのに時間がかかることである.明日香試験流域の実測では,流出2次ピークは,中程度の先行水分条件,中規模の降雨で起こっている.流出2次ピークの降雨ピークからの遅れ時間は,降雨量の増加に伴い短くなる傾向はあるが,大きくは変わらない.試験斜面のシミュレーションでは,これらの特徴の多くが再現された.また,流出2次ピーク現象の詳細が明らかになった.試験斜面のように,物性分布が不規則な斜面では,不連続な飽和帯ができるため,流出2次ピークが現れる.不規則な形状の斜面は,直線形状の斜面に比べ,雨水の流出に時間がかかる.実際の斜面の条件に近づけた試験斜面の数値シミュレーションで流出2次ピークが現われたことから,もし斜面に不連続な飽和帯が発生する条件があれば,急傾斜な上流斜面でも流出2次ピークが発生し得ると結論する.
2009-07-25

急傾斜な風化花崗岩森林斜面の流出2次ピーク発生についての数値シミュレーション

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