Uromyces truncicolaによるエンジュさび病がんしゅ部の解剖学的観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Uromyces truncicola P.HENN.etSHIRAIの寄生によるエンジュさび病がんしゅ部の解剖学的特徴を, 主として1年生罹病枝の観察によって明らかにした。患部の皮層, 師部および形成層帯の細胞間隙には病原菌の菌糸, 柔細胞中には吸器が観察され, 皮層および師部柔細胞の肥大と増生が顕著であった。罹病木部の放射組織は, 接線方向で健全部よりも多数の細胞から構成されているものが多く, 細胞の肥大も認められた。木部導管要素の結合に異常が生じ, 導管部が変形していた。10年生枝のがんしゅ部横断面の観察でも, 師部および木部の細胞の肥大と増生が確認された。病原菌の菌糸および吸器は2核であったことから, 精子器内での受精が起きた後の夏胞子・冬胞子世代の菌糸が病患部形成を引き起こしていることが明らかになった。
- 日本森林学会の論文
- 1992-11-01
著者
関連論文
- 松くい虫(マツ材線虫病)-沿革と最近の研究-, 編集・発行, 全国森林病虫獣害防除協会, 東京, 274ページ, 1997年, 3,000円
- (167)わが国におけるタネツケバナ根こぶ病の発生分布調査(続報)(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- A213 ゴール形成昆虫に対する植物の抵抗性メカニズムの地域変異(一般講演)
- アカマツディプロディア病菌の生態と種内変異について(一般講演(口頭発表),第6回大会講演要旨)
- 病傷害に対する樹木の対応 : 肥大成長の役割り(光合成生産過程からみた樹木の環境適応)
- ヤナギ類水紋病 : 我が国における発生と罹病材の病態解剖について(トピック(樹病))
- (327)ヤナギ類水紋病の研究 : 罹病木の通水阻害要因(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (339)ヤナギ類水紋病の研究 : 罹病材(watermark)の多湿化要因
- ストレス波速度測定装置を用いた準非破壊測定による北方系樹種の生立木腐朽診断方法の評価(Journal of Forest Research)
- 細菌性樹木病害
- ヤナギ類水紋病の研究 : 罹病材(watermark)より検出されたlevanについて
- (194) ヤナギ類水紋病の研究 : 罹病木の通水機能について (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (193) Erwinia salicisによるヤナギ類水紋病の我が国における発生
- C109 ヤチダモのゴールはアブラムシのためにあるのか、はたまた身を守るためか?(寄主植物選好・耐虫性)
- (177) Pseudomonas syrinagaeによるイヌエンジュがんしゅ病(新称) (日本植物病理大会)
- Uromyces truncicolaによるエンジュさび病がんしゅ部の解剖学的観察
- (22) ヒノキ漏脂病菌菌叢生育に対する数種薬剤の阻止効果 (夏季関東部会)
- (111) 山口県産ハクサイ根こぶ病菌のCRハクサイ品種と欧州産飼料カブ77bに対する病原性 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- Pycnostysanus azaleaeによるツツジ類の芽枯病(新称)
- Pseudomonas syringaeによるイヌエンジュがんしゅ細菌病--病原細菌の同定と病名変更
- 北海道で最近発見された2種の細菌性樹木病害(1)イヌエンジュがんしゅ細菌病
- ヤチダモがんしゅ病の病態解剖
- ヤナギ類水紋病を例として「材の病理学」を考える
- 北海道で発生した2種の細菌性樹木病害
- 「材の病理学」を考える--ヤナギ類水紋病を例として
- ヤチダモがんしゅ病の解剖学的観察
- 平成14年に発生を確認した樹木病害
- 北海道で最近発見された2種の細菌性樹木病害(2)--ヤナギ類水紋病
- Caeoma deformansとBlastospora betulaeとの生活史における関係〔英文〕
- (71) アスナロ・クロベ類てんぐ巣病菌の生活史について (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- ハイマツの枝や幹に寄生する銹病菌の新種,Endocronartium sahoanum〔英文〕
- (56) 八幡平および栗駒山におけるハイマツさび病とその病原菌胞子の発芽形態および核の行動について (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- さび病(トピック(樹病))
- (6) ヤナギ類葉さび病菌, Melampsora chelidonii-pierotiiの精子世代を用いた宿主上での人工交配による寄生性の変異
- ヤナギさび病菌のリポソームDNAITS領域を用いたPCR-SSCP分析による識別
- (20) 増幅リボソームDNA ITS領域を用いたヤナギ類さび病菌, Melampsora spp.のSSCP分析 (関東部会)
- 皇居吹上御苑で採集された6種の樹木寄生菌類
- 森林(もり)をまもる-森林防疫研究50年の成果と今後の展望-, 全国森林病虫獣害防除協会編, 発行B5判, 493ページ, 2002年2月, 定価8,000円(消費税込)
- カバノキ科18種の成長特性と被食防衛能(会員研究発表論文)
- カバノキ科5種若齢木の葉の表面構造と被食防衛能(会員研究発表論文)
- 氷点下で越冬させたトドマツ枝枯病菌接種苗の発病(会員研究発表論文)
- トドマツ枝枯病の枝階の上下による発病の差異(会員研究発表論文)
- ウダイカンバ人工林における腐朽・変色被害(I) : 札幌羊ヶ丘における被害例(会員研究発表論文)
- イヌエンジュ造林木に見られるがんしゅ症状(会員研究発表論文)