10 年間観察した Tracheobronchopathia Osteochondroplastica の 1 例

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概要

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症例は初診時43歳の男性。23歳時に肺結核のため他院で左上葉切除術を受けた際, 気管支鏡検査を受けたが異常ありとは言われなかった(当時の診療記録は入手できず)。昭和51年1月血痰を主訴に当院初診し, 気管支ファイバースコピー検査を受け声門直下の気管から左は主気管支中枢側まで, 右は主気管支・中間気管支幹・右上葉支・中葉支に至る気管・気管支壁の, 膜様部を除く前側壁に多数の黄白色小隆起を認め, Tracheobronchopathia Osteochondroplasticaと診断した。のちに生検でこの診断が確かめられている。その後およそ1年に1回ずつ気管支ファイバースコープを行って観察しているが, 病変の性状・程度・広がりに変化をみない。長期にわたって本症を追跡した報告は少ないが, 8年間の追跡で変化をみなかったとする報告があり, 本例での観察とあわせ, 本症は比較的緩徐な経過をとる疾患であると考えられる。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1987-09-25

著者

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