気管支ファイバースコープを用いた胸膜生検で診断が確定した両側性悪性胸膜中皮腫の 1 例

元データ 1992-03-25

概要

明らかなアスベスト暴露歴のない34歳の男性が労作時呼吸困難を主訴として入院した。胸部X線上, 両側の胸水貯留と胸膜肥厚を認め, 一般血液検査, 胸水穿刺(両側胸水とも血性), Cope針を用いた胸膜生検を行ったが確定診断がつかないため入院後2週目に気管支ファイバースコープを用いた胸腔鏡検査(BFT)を施行した。局所麻酔下にて行った胸腔鏡検査では光沢を有する白色の小結節を胸膜一面に認め, 生検標本を特殊染色することにより悪性胸膜中皮腫と診断した。一般に悪性胸膜中皮腫の診断は困難で開胸生検や剖検時に初めてなされることが多い。しかしながら気管支ファイバースコープを用いたより侵襲の少ない胸腔鏡検査によっても充分診断が可能であり, 文献的にも重篤な合併症をきたした例は報告されていない。原因不明の胸水貯留例にはBFTが積極的に適用されるべき検査法であり, これによって早期に悪性胸膜中皮腫が診断できる可能性がある。

著者

長谷川 幹 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
石原 享介 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
梅田 文一 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
岡崎 美樹 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
片上 信之 神戸市立中央市民病院
坂本 廣子 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
中井 準 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
長谷川 幹 神戸市立中央市民病院
白根 博文 神戸市立医療センター中央市民病院臨床病理科
冨岡 洋海 神戸市立中央市民病院呼吸器内科
石原 享介 神戸市立中央市民病院
白根 博之 神戸市立中央市民病院臨床病理
中井 準 神戸市立中央市民病院

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